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ドバイの外国人労働者は、高給取りから単純作業労働者まで様々。最低賃金は約108000円ほど。ただし住宅が会社から敷きうされている場合39000円ほどになる。生活する分には問題もなく、母国に送金することも可能である。何故なら、ドバイには二重価格があって、同じ商品でも、高価だが高級志向を満足させるものと庶民的な価格で高級ではないがきちんとしたものがある。たとえば、紅茶。街角のお茶屋なら21円くらいからある。高級店なら400円ほどと大きな差がある。食事も、カレーやインド風ピラフ、ケバブなどの店なら325円くらい。ホワイトカラーが行く店なら1500円くらい。
外国人労働者は3人で3ベッドのコンパウンドを共用する場合が多いらしい。ホームシックを防げるし団結力も生まれるので、長期雇用につなげることができる。同じコンセプトで夫婦での雇用も多い。面白いのは、国際電話の使用である。電話会社は、ビジネスの休日、特定の国への使用に限って大幅割引を適用している。外国人労働者への手厚いサポートである。
しかし、唯一、二重価格ではないものがある罰金である。スピード違反は最低でも13000円。車のランプが切れていたり駐車違反は4200円。ちなみに駐車料金は2時間42円だから、100倍のお仕置きとなる。こうした違反は証拠写真を撮られコンピュータで管理されており、支払いしないと利息がつくし、年1回の車検の更新ができなくなり、悪質なら出国できなくなる。
この外国人労働者を厚くサポートする反面、厳罰は必要不可欠で、多様な国籍の人達が、それぞれの常識や文化的背景から、いろいろな法解釈をしたり、自分勝手なマナーを適用したりしていけば、国全体の治安が危ぶまれる。交通違反だけでなく、もっと重大な罪を犯すと国外退去処分となる。こういう飴と鞭を使い分けながら、必要な外国人労働者と共存しているのがドバイなのである。
…日本でも外国人労働者を受け入れる政策が進められているが、このような発想はあるのだろうか、と思う。ついつい、PBTの教え子たちをイメージするのだが、彼らは日本語が堪能で日本文化にも造詣が深く日本人といってもいいくらいであるが、そうでない外国人労働者も多いだろう。治安が乱れるなどというのは論外である。日本の場合、日本特有の共通善=空気を理解してもらうことが重要だと思うのだ。ドバイの二重価格から、そんなことを考えていた。
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