2023年9月20日水曜日

フランスの黙示録 ニジェール

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ニジェールのクーデターが、マリやブルキナファソを巻き込んで大規模な戦闘になる恐れがあるようだ。西アフリカの元フランス植民地の国々では、西アフリカ中央銀行が発行する共通通貨セーファーフランが使われている。(ちなみにチャドからガボン、コンゴにかけては中央アフリカ諸国中央銀行発行のセーファーフラン)これらの国では、未だフランスの影響力が強い。この共通通貨はフランスの影響下にあるだけでなく、ユーロと同じで経済力の弱い国は、実質的に通貨高になり輸出であまり稼ぐことが出来ない。これらの国で未だに産業が育っていないのは、このセーファーフランのせいだという主張がある。

フランスとイギリスの植民地支配の方法は違う。イギリスは、植民地の中に協力者をつくり、育てて間接支配してきたが、フランスは直接支配中心だった。今でもフランスは、これら旧植民地との貿易で赤字にならないようにしている。

ニジェールは、ウラン産出国として有名である。原発立国であるフランスにとっては重要な国(1/4がニジェール産)である。他の国からも様々な鉱物資源がフランスに流れている。2021年にマリで軍事クーデターが起こり、フランス軍を追い出した。このサポートを行ったのがロシアのワグネルで、2022年にはブルキナファソでも同様の軍事クーデターが起こった。そして2023年7月26日のニジェールでもクーデターが起こったのである。

前政権側は、セーファーフランを使う西アフリカ経済共同体の連合軍(セネガルやギニアビサウ、コートジボワール、ペナン、トーゴ)を巻き込んで政権を奪還しようとしている。マリとブルキナファソは、ニジェールとともに対抗するかまえで、8月28日フランスのマクロン大統領は、連合軍を全面的にサポートすると姿勢を示した。反仏のクーデター・ドミノに対し、フランスとしてもそうせざるを得ないのだろうが、連合軍側の政権はフランスとズブズブの関係にあるので協力せざるを得ない。

アフリカ開発経済的に見れば、「資源の罠が、紛争の罠を生み、内陸国の罠にハマっている世界最貧国で、ロシアを巻き込んで泥沼化する」という状況である。イギリスなどはフランスの苦境をお手内拝見といった冷たい目で見ているようで、西側諸国を巻き込むことになりそうにないと言われている。

私としては、セーファーフラン使用国同士の争いなど起こってはならないと思っている。ブルキナで流れてたTVの音楽番組にはセネガルやマリ、コートジボワールなんかのバンドが出ていた。文化圏として国境を超えた共通基盤があるのだ。誰のために血を流すのか?フランスとズブズブの各国の一握りの権力者のためである。
ブルキナの首都ワガドゥグでSONYという電機店に入った時、最新のプレイステーションが売っていた。価格はおそらく一般の人々の10年分以上の収入だったと思う。誰が買うのか?買える一握りの者がいるからだ。そんな者たちのために死ぬのはやめてほしい。
…ONE PIECEの頂上戦争で叫んだ、コビーのような思いである。

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