https://ja.wikipedia.org/wiki/ONE_PIECE%E3%81%AE%E5%9C%B0%E7%90%86 |
歴史的な構想も、最終章に差し掛かり、ほぼ全体像が見えてきている。以前月に住んでいただろう、ある王国が、この世界にやってきて高度な文明を形成していたが、空白の100年にネイティヴの20の王国がこれを覆し、世界政府を形成。この社会構造が今も続いている。この20の王国の子孫が天竜人となり、一般の人々を奴隷的に支配している。海軍(わざわざマリーン=海兵隊と呼ばれているのが不思議だ。)という組織は、この社会の治安を維持する暴力装置である。この世界からはみ出した存在が海賊であり、革命軍である。実際、天竜人であることをやめた王族もいれば、そこに住みたくないとした王族もいるし、そもそも世界政府に参加していない王国(ワノ国など)、参加を認められない王国(魚人族)、海賊が支配している王国もある。この社会構造は、極めて政治優先(天竜人の支配の継続)の経済の発展を無視したものである、といえる。
主人公は、海賊王になるという志をもつルフィーだが、彼の海賊という立場は、略奪を行う犯罪者というイメージではない。少なくとも私は、ルフィーと麦わらの一味が略奪を働いているシーンを知らない。世界政府に属さず、自由に生きようと思えば、海賊か革命軍に属することになる社会のようだ。もちろん、海賊の中には犯罪を起こすことを常とする者もいるだろうが、麦わらの一味にそういう影がない。反対に不幸に沈んでいる島を訪れては、様々な問題を解決する正義の味方的存在になっている。
このまま物語が進めば、ルフィ達が、おそらく奴隷的支配を行う世界政府をひっくり返すというのが大筋で、いわば革命譚になるに違いない。ただし、様々な要素が絡み合っている。それは、まず「強さ」という問題である。ものすごい数の登場人物がいて、悪魔の実を食べた者の能力(ジョジョの奇妙な冒険のスダンドをさらに複雑にしたような能力)、覇気(覇王色・武装色・見聞色)といった各個人の非悪魔の実的能力と、さらに各個人の戦いの方法が組み合わされている。もちろん修業によってこの強さは変化する。海賊内には、四皇、今は無くなったが王下七武海といった格が存在し、これらは賞金額でその強さが数値化されている。ちなみに、海軍では、階級(大将・中将など)が強さを示している。海賊側の賞金額もあって同じく数値化されている。ドラゴンボールの(スカウターで判明する)戦闘力のようなものだ。
あまりに、複雑で膨大な人物が登場するので、覚えるのが大変。まさにロシア文学。(笑)しかも、前述したような伏線があり、読者を引き込んでいく。たしかに、コミックという枠組みを超えた存在だ。
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