2023年7月6日木曜日

採点地獄(前半)を乗り切る

期末考査である。昨日倫理の試験が終わった。昔は8クラスなどという無茶苦茶な採点地獄の時代もあったのだけれど、(共通テスト的に)4択問題を中心に数字で回答する方式は変わらない。よくできる答案は、たこ焼きのように丸をつけていく。1人ずつ採点する先生方も多いけれど、私は1クラスずつ、解答欄にしたがって自分の解答と合わせ、めくりながらやっていく。この方が間違いが少ないのだ。

とりあえず採点が終わり、成績をエクセルに記録した後、試験の解説と講評をワードでつくる。学園に来てから必要に迫られて作っている。模擬試験などでは、ただ点数を出し、偏差値と現状の合否判断を出すだけではなく、出題意図や解法を丁寧に記した冊子が配られる。定期考査であっても、間違ったところを確認する必要があるし、そこが受験勉強の要でもあるからだ。

倫理という教科は、実に立場が微妙である。旧帝大クラスの大学を目指す生徒は、公民分野は、倫理政経で受験するので必須である。倫理1教科だけで受験が可能な大学もお多く倫理1教科で受験する生徒もいるのだが、政経1教科で受験する生徒もいる。(これは旧カリキュラムの今年の3年生までの話。)共通テストを受けない私大受験組は、受験教科ではない。様々な立場の生徒が存在するわけで、意欲にもどうしても差ができてしまう。また今回は日本思想史だったので、日本史B選択組に大いに有利だった。(前回は世界史B選択者が有利だったので、おあいこである。笑)

1学期中間試験も、今回も、むちゃくちゃハードルを上げた。共通テストでは学校ごとに選択している教科書に含まれない出題(各出版社の教科書の記述に少しずつ相違がある。)もありうるので、様々な教科書に対応している資料集をひたすら読み込むように生徒を追い込んだ。これはなかなか大変であるが、共通テスト受験科目である倫理は、旧帝大受験組に合わさざるを得ないからである。彼らは、かなりハードルを上げても90点以上を楽々と超えてくる。(プロとしてはさすがに100点は取らせない。超難問の地雷をいくつか潜ませている。笑)だが、私大組や政経受験組はそこまで力を入れない。授業を楽しく真面目に聞いてくれるが、同じ日に試験のある英語や数学の方に時間を費やすのだろう。それはそれでいい。人間は自由の刑に処せられている。だから私はとやかく言うつもりはない。こちらとしては、最善の方法だと思える手立てをうつのみだ。

とはいえ、来年からは倫理という教科は、選択科目化してしまい、さらに立場が弱くなっていく。うーん。

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