https://www.history.gr.jp/nanking/100.html |
ところで、「山本七平の思想」では、本多勝一の「中国の旅」でも有数のセンセーショナルな「南京での百人斬り」の話が出てくる。山本七平は、この百人斬りゲーム(実際には向井が89人、野田が78人)は、成り立たないと指摘、論争を続けた。状況的には、33kmを行軍しているが、8ないし9時間かかるはずで食事や休止時間を考えれば、90秒から130秒ごとに1人ずつ殺し続けた計算になる。これは信じられない、というわけだ。しかも日本刀の耐久性はない、ということを専門家の成瀬関次氏の著作を引いて論証している。
この他にも山本七平のフィリピンでの話が出てくるのだが、悲惨な話も多い。これは後に記すことになると思うのだが、キリスト者として特に軍の中での第三者的な違和感が強く現れているという著者の視点に同感である。
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