2019年12月29日日曜日

今年この1冊 2019

「今年この1冊」を、3月と7月に2回買った枚方市駅の本屋
今年も「この1冊」をエントリーする時期になった。アフリカ留魂録というタイトルのブログなので、知人の荒熊氏の著作「ブルキナファソを喰う!」に決定するのが当然の成り行きだと思う。内容がてんこ盛りで興味深いだけでなく、文化人類学研究者のフィールドワークの内幕まで教えてくれた、超傑作アフリカ本である。
しかしながら、あえて次点としたい。荒熊さんには誠に申し訳ないが、これは極めて私的な理由が絡んでいる。

世間では、本年の最大のニュースは、令和という時代になったことだと思われる。ラグビーW杯での日本の健闘や緒方貞子氏・山口哲氏の死去、イチローの引退、各地での台風災害など、多くの出来事があった。

私自身にとっては、マレーシアを離れ、本帰国し三崎高校公営塾で教師として最後の「志」実現に向かってに走り出したことである。その中で心残りだったのが最後まで面倒を見れなかったF42の諸君のことと、浪人だったL君のことである。

幸い、L君はD大学に合格したが、彼と二人三脚で読んだ本、そう、大澤真幸著の「社会学史」(講談社現代新書/2019年3月)こそが、今年この1冊に最もふさわしい。3月に一度買い、読み切ったうえで、KLの紀伊国屋になかったというL君に贈呈したが、手元に置いておきたかったので、7月にもう一度同じ店で購入したという経過もある。

社会学という学問をL君が志したおかげで、私にとっても極めて刺激的な学びを提供してくれた本だった。内容はほぼ哲学史であるといってよい、この本をL君は、日本語を学んで2年で、良く読破したと思う。彼の人生を決定づけた1冊になるかもしれない。よって、2019年の私のこの1冊は、(荒熊さんに誠に申し訳ないのだが)「社会学史」ということで…。

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