過疎の町は三崎だけではありません。今回、愛媛県と高知県から6校が集まり、過疎問題に真剣に向き合う高校生と出会いました。(松山商業高校の地域ビジネス科だけは都市部の学校ですが、地域創生への思いは同じだと思います。)まず、「先端に出会う」ということで、各校の地域創生への取り組みが紹介されました。簡単にその取り組みを紹介したいと思います。
①愛媛県立今治北高校大三島分校 『島って憩うぜ』をキャッチフレーズにして、島の観光パンフレット(英語版も)を制作、また愛媛・広島県の島嶼部の高校と連携しているそうです。
②愛媛県立松山商業高校地域ビジネス科 これまで共働きで子供の成長を祝う行事が無くなってきたことに危機感を持ち、1歳・3歳・6歳児の行事を応援。今年は郊外の小学生を電車に乗せ中心部まで「初めてのお使い」をサポートする取り組みを計画中だそうです。
③愛媛県立小田高校 小石を使った絵の具づくりなど大学とも連携し、地域資源を活かした取り組みをしています。
④愛媛県立北宇和高校 高校生の通学にしか使われなくなったJRの駅を活性化するプロジェクトを企画しています。
⑤高知県立佐川高校 学校前のバス停のリニューアルや、「民家の甲子園」「販売甲子園」などにも参加しています。
⑥愛媛県立三崎高校 『ふるさとのバトンをつなぐ』をキャッチフレーズに、三崎のイメージVTR「せんたんビギンズ」の制作、伊方町の高齢者にも愛される健康促進のための「みさ高体操」の普及、廃校になった中学校での「みさこうマルシェ」、八幡浜市主催のイベントで「マーマレード製作入賞」など数々の取り組みをしてきました。
6班とも素晴らしい提案だったのですが、特にグランプリに輝いた同点の2つの班の発表について記しておきたいと思います。
今治北高校大三島分校班 『シニア革命!2019』
移住定住は難しい、ならば「高齢者が輝く島にしたい」との企画案が2つ。まずは、お年寄りの家・民泊プロジェクト/低価格(3000円程度二食付き)で、都会の人(家族連れ)をターゲットとする。不便さを体験(これは京大が不便益として研究しており意義が実証されている)、お年寄りと話すことで、温かさを実感、さらに農業体験や釣り体験、島めぐり、虫取り、さらには柑橘類による石鹸づくりなどのオプションも企画。この提案には、審査員の先生方より「きっと外国人観光客が来るだろう。」と絶賛されました。もう一つは、島の空き家を改造して、おばあちゃん食堂の土日営業企画。明日からでも空き家のリサーチを行いたいという。…そのバイタリティに私は感動しました。
北宇和高校班 『鬼ガチャで鬼北町を救う』
タカラトミー社の「ジャクレルプラネット」で、日本唯一の鬼のつく町名をもつ鬼北町だけの「鬼ガチャ」を、JR近水駅の限定販売品とすることで駅だけでなく町の活性化を図る。ガチャも鬼の形をした巨大なものにして、中高生をターゲットにする。SNSでの拡散を狙い、写真コンテストも企画。ゴミを出さないよう、プラスチックのカプセルを回収する、さらに収益は町にといった、持続可能性への思いも感じられる提案で、「すぐに企画書をつくって、町役場に行きなさい。」と、この班に対しても審査員の先生方が絶賛されました。…高校生の発想は面白いし、実に柔軟だと思いました。
…私は、ン年前のJICA大阪・JICA関西での高校生セミナーを思い出し、感慨を深くしました。純粋な高校生の真剣な語らいは美しい。ユネスコスクールは、私が関わっていたころに比べて、地域創生への取り組みを重視しています。過疎に悩む地域にとって、非常に重要な課題であることを、今回のイベントで感じました。
今日、少し、妻と三崎の町を歩きました。メインストリートの国道197号線を離れると、多くの商店がシャッターを下ろしていたり、廃屋化していたりしています。改めて肌身で「過疎」を感じました。私の新たな住処の教職員住宅は小中学校の横にあり、児童・生徒の歓声やクラブ活動の掛け声が聞こえます。また保育所も近いので、幼児の歓声も聞こえますが、町でお会いし、挨拶する方々は高齢の方が圧倒的です。明日・10月1日の三崎高校・未咲輝塾への赴任の直前に、このようなイベントに参加できて、本当によかったと思います。参加した生徒諸君と、企画・運営に尽力された三崎高校の先生方に、心から感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
ネット開通おめでとうございます
返信削除M先生、コメントありがとうございます。この約1週間非常に苦しい日々でした。(笑)愛媛より、いろいろな想いを綴らせていただきます。
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