2019年9月22日日曜日

京大アフリカ公開講座’19‐20

https://www.africa.kyoto-
.ac.jp/series/koza2019/
愛媛への引越の荷物は結局段ボール8個に増えてしまった。すでに宅急便が受け取りに来てくれて、かなり気が楽になった。

さて、前々から京都大学のアフリカ地域研究資料センターからお誘いを受けている件について記しておきたいと考えていた。帰国時に案内が届いていたのだ。私は愛媛に行ってしまうので、参加は叶わないのだけれど、関西在住の教え子たちには、こういう知の発見の機会があるよ、と伝えておきたいのである。

京都大学アフリカ地域研究資料センターでは、これまでアフリカ地域研究の先生方を中心とした公開講座をやっておられたのだが、今年の10月19日から明年2月15日まで土日を中心に11日間でアジア・アフリカ地域研究履修証明プログラムというのをやるそうだ。大学院アジアアフリカ地域研究所長名の履修証明がいただけるだけあって、出欠・習熟度チェックもあるそうで、受講料が59200円かかる本格的な講義である。この中に「アフリカに学ぶこと」をテーマにした公開講座が組み入れられている。(これは申し込みすれば1000円で受講できる今までの公開講座と同様である。)こういう申し込みに関することは各自検索されたし。私が伝えたいのは、内容である。

10月19日(土)オリエンテーション  
10月20日(日)東南アジア地域研究論1~生態現場から  
この講座を担当する岩田明久先生は、水産資源の持続可能性と希少生物の保全という対立するテーマを環境保全の立場から研究されているようだ。ラオスのメコン水系の話になるだろうと思われる。

10月26日(土)公開講座「アフリカをつくる:ものづくりの営み」
高橋基樹先生は、私が最も尊敬するアフリカ開発経済学者のお一人である。東アフリカをベースに研究されている。今回は援助や投資ではなく、現地の人々のものづくりに注目し、その創意工夫や人々の関わりなどの営みを紹介するとのこと。私が最も聞きたい講座だ。

10月27日(日)東南アジア地域研究2~タイの政治・民主政VS君主制
玉田芳史先生はタイの研究と比較政治学を専門にされている。他のアジア諸国や欧州と比較しながらタイの民主政と君主制を論じられるはずだ。マレーシアにいた私としては、是非聞きたいところなのだが…。

11月9・10日(土・日)アフリカ地域研究論1~生業活動と子育てから
高田明先生は、サン(ブッシュマン)を研究している文化人類学者である。とくにサンの人々の子供間の相互行為において責任感の育成が計られているいることなどの研究から、サンの文化的社会構造を探られている。…実に面白い話が聞けそうなのだが。

11月16日(土)アフリカ地域研究論2~アフリカの都市社会と文化
平野美佐先生は、カメルーンのビミレケというエスニック・グループの経済活動を中心に共生の知恵について研究されている。…都市の文化人類学には、これまで関わりが多く、非常に興味がある。この講義も受けたいのだが…。

11月30日(土)公開講座「アフリカを繋ぐ:住民と道直しから」
木村亮先生は京大大学院工学研究科の教授である。今までの文化人類学中心の公開講座とは違う。とはいえ、木村先生はアフリカでNPO法人「道普請人」を立ち上げ、住民のチャリティーから住民のビジネスへと、インフラ整備を技術教育へと転換しながら貧困撲滅と戦っている凄い人なのだ。土嚢をつかった道直しをされているらしい。

12月21日(土)公開講座「アフリカを癒す:健康とは何か」
新福洋子先生もまた、京都大学大学院医学研究科の准教授である。アフリカへの医療はアフリカ以外で行われた研究に基づく施策であったり、西洋医学をいかに根付かせるかという発想であった。これに対し、人類学の研究者と連携した助産学の研究者である新福先生の学びを紹介するという。

1月11・12日(土・日)イスラーム世界論~経済論
長岡慎介先生は、京大きってのイスラーム金融の専門家である。この講義、受けたいなあ…。2日間にわたってみっちりとイスラーム金融論にどっぷりつかれるだろうなあ…。

1月18日(土)公開講座「アフリカを食べる:グラスカッターの家畜化」
村山美穂先生も、京都大学野生動物研究センター教授。ガーナで、好まれている大ネズミのグラスカッターを家畜化することに成功した話らしい。ちなみにグラスカッターで検索したら、マレーシアの草を刈っている人の写真が出てきてびっくりしたのだった。

1月25日(土)26日(日)チベットとヒマーラヤ地域研究論
長岡慶先生は、チベットの伝統医療を研究している文化人類学者である。精神世界的な儀式だけでなく、薬草の市場化などにも研究を進めているとのこと。うーん、チベット。実に興味深い話が聞けそうだが…。

2月15日(土)公開講座「アフリカを歩く:山・砂漠の自然と人と」
水野一晴先生は、京都大学大学院文学研究科教授。といっても地理学が専門。キリマンジャロやケニア山の氷河消滅問題やナミブ砂漠などアフリカの気候変動と人々への影響を論じていただけるようだ。

こうして一覧すると、実に興味深い講座であることがわかる。今回の講座のポイントは2つあると思う。1つは、アジア・アフリカ地域研究の人的な枠組を他学部に拡大したこと。もう1つは、SDGsとの関りである。どれひとつ取っても関係のない講義はない。京大のアフリカ地域研究資料センターはフィールドワークの重視とともに、アフリカから学び、その知恵を生かすことを念頭に研究をされている。当然ながらSDGsの目指すところそのものなので、驚くことはないのだが、改めて実感した次第。
嗚呼。私は、これらの講義を聴くことはできないだろうけど、自分で探ることはできる。整理するだけで、いくつかの思考のヒントもいただいた。学びというものは受動ではなく能動である。

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