2018年8月2日木曜日

内田樹 揺らぐ戦後国際秩序

http://megshivers.blogspot.com/
2009/03/faustian-theory-
as-related-to-portrait.html
8月1日の毎日新聞の「論点」を受けて、内田先生がブログに「揺らぐ戦後国際秩序」という一文を掲載している。この「論点」国際政治学者のF・フクヤマ、WTOの元事務局長のP・ラミーが、米国大統領は紊乱(びんらん)者である、"Sauve qui peut"しろ(米国はもう指導力のあるメッセージを発するころができなくなった、各国は自分の才覚で生き延びるしかない)と、そろって指摘していると内田先生は捉えている。
http://blog.tatsuru.com/2018/08/01_1140.html

ここで、日本はしかし、米国に追従するだろう。安倍首相が『米国の代官』として生き延びるのは、それしかないからだと、内田先生は主張する。「日本の国民資源がアメリカの富裕層の資産に付け替えることにこれだけ熱心な政権」とは、内田先生のいつもながらの見事なレトリックである。

…私は、F・フクヤマ氏やP・ラミー氏の主張に同意する。戦後の自由貿易による平和という国際秩序を12点男が紊乱していることは明らかだし、内田先生の自虐的にさえ読めなくない日本の現政権のあり方も、全く同感である。おそらく、この一文にあるような様々な名難題をノーコメントで飲み込んでいくことになるだろう。

…これまで、先進国はWin-Winの関係を構築してきた。途上国にも関税面等で先進国はWin-Winの関係を一応(極めて構造的暴力的だが…)保ってきた。しかし、今の米国は違う。Win-Winの関係を破壊しようとしている。しかも人種差別、民族差別、宗教差別を伴っている。極めて悪魔的であると言わざるを得ない。日本は、この悪魔に、軍事的にも食糧的にも、エネルギー的にも、なんら逆らえないポチである、いやファウストと言うべきか。

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