2017年9月7日木曜日

アントニオ猪木と山岡鉄舟

http://boku-pro.com
/news/view/11825
アントニオ猪木というか、猪木寛至参議院議員(無所属)が北朝鮮に旅立った。この訪問に対して批判が強いが、私は応援したい。まあ、プロレスラー・アントニオ猪木としては、かなりうさんくさい部分も若干あるが、私は新日本プロレス派だったので、当然猪木ファンである。

今回の訪朝は33回目になるそうだ。師匠である力道山が北朝鮮出身であることから、訪問が始まり、師匠と共に記念切手にまでなったという。今でもかの地では絶大な人気がある。韓国も対北米支援を猪木氏に託したこともあるそうだ。

他にもキューバでカストロ首相と西側の人物として8年ぶりに会ったりして世界的ニュースになり、以来親交を続け、昭和天皇崩御の際キューバは1週間半旗を掲げてくれたという。また湾岸戦争時、一人でイラクに乗り込み、フセイン大統領と交渉して人質になっていた日本人46人を救出した実績もある。これは、イスラム世界の英雄、パキスタンの国民的格闘家をセメントマッチ(本気の戦い)で破った人物として尊敬されているからで、もちろん、世界的なボクサー・モハメド・アリと戦い、以後互いに友情を暖めてきたという面もある。パキスタンでは「猪木記念日」までつくられたという。
http://diamond.jp/articles/-/141325

http://asanogawa.exblog.jp/tags/
私は、ふと幕末の三舟の一人、山岡鉄舟を連想した。勝海舟の依頼を受けて、江戸攻撃の準備に忙しい西郷を一人訪ねていった豪傑である。禅と剣の達人でもあり、後の明治天皇の侍従を務め、死の際には皇居に向かって結跏趺坐のまま息絶えたという人物である。プロレスという格闘技は、スポットライトに照らされるようになるまで、恐ろしいほどの鍛錬が必要である。長年格闘技の世界に生きてきた猪木もまた、山岡鉄舟とは違ったカタチの達人であることは間違いない。

そんな無所属の参議院議員の猪木寛至が北朝鮮に行ってどうなるのかは、わからない。おそらく猪木の頭の中には、平和を望むという極めて単純なポリシーしかないのではないか。事を動かすというのは、そういう悟りに似た信念が必要であるような気がする。批判することは誰にでも出来る。だが、単身乗り込んでいくというのは誰にでも出来ることではない。私は、猪木の行動に拍手を送りたい。

中国が奇襲攻撃に備えて演習し、ロシアのプーチン大統領は再度警告を発した。アメリカは国連安保理に原油禁輸の決議案を提出した。韓国は9日にもICBMの発射があると予告した。猪木にとって、時、来たれり、ということか。猪木に現代の山岡鉄舟になって欲しいと私は思う。

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