2017年6月20日火曜日

サブプライムの悪夢再び?

http://www.davegranlund.com/cartoons/2017/02/03/wall-street-regs-rollback/
今、公民分野は金融政策について講じている。学生にとっては少し難しい「信用創造」で通貨が増えること、政策金利の上下によって、マネーストックが増減すること、これを利用して、インフレ・デフレ対策が行われていることなどを教えているわけだ。

ところでFRB(アメリカの連邦中央銀行に当たる)が政策金利を引き上げたようだ。これを見るとアメリカ経済は好況だと見ることができる。ところが、好況の影に大きな問題があるらしい。家計の借金残高がかなり高いとのこと。それもあのリーマショックの時と同じくらいだというから驚きだ。今回は、自動車のサブプライムローンが懸念されている。自動車ローンの31%が低所得層と言われている。アメリカでは新車の販売台数が7年連続で伸びていて、自動車販売会社は奨励金をディーラーにばらまき、金融子会社がローンを担当して業績を伸ばしてきた。ここに商業銀行も参入。この自動車ローンの90日以上の延滞率は、リーマンショック時に迫る3.82%だという。サブプライムの悪夢が再びよみがえるような話だ。ここにFRBの金利引き上げが来る。おそらく不良債権が増大し、消費は一気に冷え込む恐れがある。

一方、アメリカの上場企業は銀行から借金して自社株を買い、株価をつり上げているらしい。この行為は資金繰りを圧迫していく。株価の下落の恐れも十分にあるわけだ。日本でも株の信用取引の売り残り(空売り)が9年ぶりに1兆円を超えているという。株価の下落を見込んでのことだ。アメリカ経済の危機を読んでのことだと思われる。
http://diamond.jp/articles/-/132091

…あのリーマンショッック、再びという感じだ。アメリカ資本主義の「懲りない面々」が、またそぞろ、ごまかしと詐欺まがいの利潤を求めてうごめいている。「資本主義の終焉」(投資先がないことを意味する。)が近いのかもしれない。政治面でも経済面でもバクス=アメリカーナの時代は完全に終わるのかも…。

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