2012年12月26日水曜日

アフリカの”資源の呪い”

タンタル コンデンサー
先日のセミナーでも、コンゴ民主共和国のレアメタルと難民の関わりの中で「資源の呪い」という語彙をY先生が使っておられた。ポール・コリアー風に言うと「天然資源の罠」ということになる。
Global Voicesの12月4日版に『資源の呪いを越えて』というタイトルで、この資源の呪いについて特集していた。コンゴ民主共和国、ナイジェリア、そしてマダガスカルの話題が載せられている。興味のある方は是非一読いただきたい。
http://jp.globalvoicesonline.org/2012/12/04/17310/

この『資源の呪い』というコトバ、天然資源豊富な地域を長期的な貧困に導くメカニズムを解析する複雑なコンセプトをさすという。しかも、かのスティグリッツが資源の呪いのコンセプトを提示しているらしい。ポールコリアーの最底辺の10億人が出てから、どんどんこういう概念(シニフェ)が一般化し、様々な人に語られ、シニファン(コトバ)が変わっていっているようだ。

ところで、先日の高校生セミナーの際、「武器」について調べている生徒の班があって、JICAのスタッフから、「質問に答えてあげてもらえないか?」と頼まれた。彼らは武器の値段を知りたがっていた。「地雷やカラシニコフなどは、製造元や販売場所で大きく価格差があるよ。」と答えたのだが、一番いい解答を、その後ふと思い出した。『最底辺の10億人』の中に、ゲリラ部隊をつくるのにいくらで済んだという話が出ていたことを思い出したのだ。スタッフに資料室から借りてきてもらい(さすがJICA関西、「最底辺の10億人」を置いている。)、その箇所を見つけて生徒に手渡した。

『1万ドルと衛星電話があれば(一応ゲリラ部隊らしき装備が揃い、反乱をおこし、先進国の企業を脅し収入を得るには)足りる。』という記述が載っていた。天然資源の罠の項だったか、紛争の罠の項だったか忘れたが…。彼らの発表の中で、そのコトが語られていた。ちょっと嬉しかったのだった。

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