2011年3月28日月曜日

2011 JICA スプリングセミナー ①

さきほど、JICA大阪j国際センターで行われた高校生スプリングセミナーから学校経由で帰宅しました。転勤が決まっている私にとっては、本校生を連れて行く最後のセミナーとなるわけで、ちょっと感傷的になりました。今回は、後輩の口の悪いI先生が教えている「異文化理解」という授業で熱心に取り組んでいる生徒を挙げてもらい、その7人からくじ引きで選ばれたメンバーです。最も若手ながら英語科長でもあるI先生も、私にとって最後だということで初日のアクティビティと研修員さんとの交流に参加してくれました。
今年のセミナーの最大の特徴は、極めて優秀な学校が多く集まってきたということでした。これまで9年間参加してきた私の記憶でも、こんなことはなかったと思います。冊子の記載順に挙げてみます。大阪教育大学付属高校池田校舎、大阪教育大学付属高校天王寺校舎、本校、大阪星光学院高校、府立大手前j高校、府立春日丘高校、府立岸和田高校、府立佐野高校、府立泉北高校、府立三島高校、京都教育大学付属高校、梅花高校、明浄学院高校…。セミナーの常連校も多く、旧知の先生方、特に昨夏本校の8校合同仮想世界ゲームに来ていただいた先生方とも再会しました。

今回のテーマは「格差と向かい合う三日間」でした。初日のワークショップは、関西No1のファシリテーターS先生によるものでした。最初にアイスブレーキング。ハート型の色紙に自分にとって大切なものを書いていきます。私は、本校の名前を書いて…極めて感傷的になりました。そうそう、今回は後輩の口の悪いI先生に来てもらっているので、ワークショップの参加を遠慮しました。多分に、大切なものとして本校の名前を語ることが辛かったのだと思います。大切なものをもとに自己紹介が始まりました。そしてアトランダムにグループ分け。今回は生徒と教員は別にグループになりました。各机に、以下の項目のカードが配られます。
差別のない社会/きれいな水・空気/心地よい住居/レジャー施設/食糧/情報通信機器/友人/医療/法律/宗教・信仰/プライバシー/社会保障/冷暖房設備/政治への参加/社会的地位/言論・思想の自由/お金/自然環境/衣服/家族/教育/電気/書籍類/商店/石油/交通機関/趣味/やりがいのある仕事…以上28項目。これに自分の大切なものをもとに、グループごとに、4つの大切なものを語り合い、白紙のカードに書いて計32項目にします。

大切なことは、多数決で決めないこと。一人でも反対者がいれば決めないこと。納得の上の合議を貫くことでした。さて、その「大切なもの」カードを机に並べた上で、S先生は、非常事態になったことを告げます。具体的な事例は述べず、この中(32枚)から、10枚のカードを排除することを指示するのです。優秀な高校生たちは、延々と議論しています。教員チームも喧々諤々。多数決で決めれないのですから大変です。

何を除いたか、班ごとにに説明します。なかなかおもしろい。さらに、絶対これだけはという6つを選んでいきます。32項目からたった6項目。第三者として見ていた私でしたが、なかなか難しい。教員チームでは、後輩の口の悪いI先生が、懸命にしきっていたのが可笑しかったです。知らぬうちに熱くなっていました。(笑)これに、いよいよMDGs(ミレニアム開発目標)が結合します。魚の頭としっぽの絵を描き、骨を書いて、絶対に大切なものを置きます。その肉付け(どうやって実現するかという政策)を肉として書き込んでいくワークショップになりました。アクティビティとして、非常に面白い展開だと私は思いました。私にとってはあまるアマルティア=センの潜在能力を生かせないことが貧困であるという大テーゼと、それを具現化したジェフリー=サックスの理論からMDGsを見ますが、大切なものというアクティビティからこれに肉薄しようというのです。いわば「私のMDGs」と言えるものでした。
後で貼り出された「私のMDGs」から
悲しいかな、優秀な生徒だったがゆえに、議論がまとまらない。時間ギレで終わってしまいました。S先生としては、これと実際のMDGsを対比しながらフィニッシュに持っていこうとされたのですが…。後でS先生と話しました。「つい、たくさんの事をやってしまうので…」とのこと。このワークショップ、S先生でも難しいのでした。つづく。

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