3年生の授業が無くなった1月末から、授業の負担が減ったことを利用して、『高校生のためのアフリカ開発経済学テキスト』を書き直してきた。もうV4.01になる。先日、ダンビサ・モヨ女史の「援助じゃアフリカは発展しない」の内容を組み入れておよそ完成した。現在、校正中というところである。秋田商業高校への出張になんとか間に合いそうである。
このオリジナル・テキストの骨組みは、開発経済学の基礎(資本蓄積と生産性の向上)と、アマルティア=センの「貧困の概念」、これにポール・コリアーの『最底辺の10億人』の4つの罠を中心に、アフリカの農業の・工業の問題点を洗い、アフリカを知るためのキーワードやグローバリぜーションの中でのアフリカ経済、中国の進出、市場としての未来、デモクレイジーなどを肉付けしてある。
今回の書き直しのコンセプトは、3点。その1は、授業で使いにくい難解な文章(専門書から引用したのだから当然である。)を、できるだけ平易に書き直すこと。授業で、私がすらすら読んでも、教室に?のイオンが充満する。(笑)結局、解読しながら話すことになるので、易しくした方が自学自習できるので、価値的である。
その2は、『アフリカ学入門『や『アフリカに学ぶ』という最良のテキストが昨年出たので、その内容をうまく活かす試みをすること。これまで、「アフリカを知るための隠れたキーワード」として①エスニックグループと国境線②人口密度と土地の話③ポレポレとハクナマタタ-情の経済ー④農村と都市⑤伝統的結婚のシステムーロボラとマライカーという項目を立ててきた。これに⑥「呪術化する現代アフリカ」という項目を追加した。生徒も呪術にはかなり関心を示す。テキストに付加したカタチで語ることも多かった。「アフリカに学ぶ」のコラムからの引用を中心にテキストに挿入したのである。
その3は、前述の「援助じゃアフリカは発展しない」の内容を組み入れることであった。前回のV3.04には「動き出す9億人の市場」の内容を入れたが、今回はダンビサ・モヨ女史を是非入れたかった。「開発経済学からのアプローチ」という、さらに専門的な領域の項の、アマルティア=セン、ジェフリー=サックス、ポールコリアーに並記した。私の中では、偉大な開発経済学者である彼ら3人に並記すべき内容だと思っている。もちろん、新たな関連書籍も追加した。
いずれ、このブログでも公開するつもりでいる。(今は常設ページにV3.01の抜粋だけ公開しているが、今度は全編PDFからJPEGに変換して公開するつもりでいる。3月末くらい?。)浅学ではずかしいが、あくまで現場の高校教師の教材研究の域内ということで笑って許していただきたいところである。
2011年3月6日日曜日
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頂いたV3.01はよく読みなおしています(特に4つの罠のところ)。エッセンスが詰まっていて非常に役に立っています。V4.01の完成を楽しみにしています。(もしよろしければ、PDF版をメールで送っていただけたら嬉しいです。)
返信削除Lily君へ。了解したよ。
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