昨日、小論文の題材を探していて、内田樹先生のWEBページに、「吉本隆明1968」(鹿島茂/平凡社ライブラリー・新刊)に寄せた解説文が載っているのを発見した。実に興味深く読ませて貰った。我々の世代にとっては「吉本隆明」というのは、ビッグネームである。ただ私にはあまりに敷居が高くて、この歳になるまで読んだことがないし、恥ずかしながら、その思想に触れたこともなかったのである。
内田先生の解説文は極めて衝撃的な内容であるが、ここでは、あえてふれない。興味のある方は是非読んでみて下さい。http://blog.tatsuru.com/
で、吉本隆明について調べてみた。たしかに、傍流の傍流を歩んできた人である。その代表作のひとつ、共同幻想論における思想性は、マルクスの上部構造とフロイドの下部構造を合わせている、とウィキにある。60歳近くになった私ならなんとか読めそうだ。ただ、その後の吉本隆明の足跡を調べてみると、先ほどエントリーした左翼の嫌み(意見の異なる者を徹底的に罵倒する資質)が多そうで、どうも…という感じである。
山口昌男を「チンピラ人類学者」、デリダやドゥルーズを「死んだ社会を荘厳にしているだけの思想」、ガタリは「てんからの馬鹿」、浅田彰・柄谷行人・蓮見重彦は「知の密教主義者」「知的スノッブ(俗物の意)の三バカ」「知的スターリニスト」、特に柄谷行人には「最低のブント(新左翼の党派)崩れ」などとボロクソに言っている。私は、人文・社会科学の学問の世界では論争は常であるかもしれないが、こういう趣は好きではない。意外に中沢新一とは仲が良いらしい。
ただ、「アフリカ的段階について史観の拡張」という著作には大いに興味がわいた次第。上記の新刊も含めて、帰国したら本屋で手に取ってみたいと思う。
2017年11月11日土曜日
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