2016年2月6日土曜日

毎日 ローマ教会と正教会の会談

http://jp.reuters.com/article/russia-religious-leader-gets-fighterjet-idJPKBN0HC08420140918
毎日の国際面に、ローマ・カトリックのフランシスコ法王とロシア正教会のキリル総主教が、今月12日にキューバのハバナの空港で会談するという記事が出ていた。ロシア正教側が発表したもので、1054年に、互いを破門して以来のトップ会談となる。

東方正教会は、ビザンチン帝国がオスマントルコによって陥落されてからは、ソ連時代を乗り超えてロシア正教会が最大の勢力となっている。ただし、正教会は民族別に独立しており、最大のロシア正教会の長であっても、ローマ法王のような絶対的な権力はない。とはいえ、1000年近くの対立を乗り越えてのハナシである。

それにしても、キューバで、というのも意外な感じである。ローマ側はヨーロッパでの会談を提案したらしいが、ロシア側が受け入れず、法王のメキシコ訪問、総主教の中南米訪問を受けて、第三国でのキューバ、となったらしい。1964年、ローマ法王は、反共政策の一環としてギリシア正教会総主教との会談を行っているが、今回のアクセスは、ロシア側が主導している。昨年6月、プーチン大統領がローマ法王庁を訪れ、今回の会談の道筋をつけたようだ。プーチンと総主教は極めて懇意である。

今回の会談の主要議題は、対イスラム対策である。中東やアフリカで強まるキリスト教徒への迫害対策で、共同宣言の予定もあるという。

と、いうわけでロシアの戦略をローマ法王庁が飲み込んだという感じなのだ。キリスト教界の団結をアピールし、ロシアをヨーロッパの一員として再度認識させることを狙っているように私は見える。
ウクライナ問題に端を発する経済制裁への楔とするとともに、シリア問題で政府側につくロシアの孤立感をやわらげることを目指しているのだろう。EUが、ドイツがいくら推そうともトルコの参加を拒み続けのは、キリスト教圏のドグマであるような気がする。そういう意味で、今回の会談、重要な意味合いを持つと思うのだ。

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