2016年2月23日火曜日

毎日 火論 「ジョン・レノンの髪」

毎日新聞の「火論」が興味深い話を紹介していた。1966年サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地で、ビートルズ最後の公式公演が行われた。以後、ビートルズは、こういうLIVE活動を停止する。ジョンは、帰国するや映画に出演する。それが、英題「HOW I WON THE WAR」(いかにして戦争に勝ったか)である。邦題は「ジョンレノンの僕の戦争」(日本ではDVDは発売されているが、劇場公開されず)というらしい。WWⅡの英陸軍部隊のトンチンカンな指揮官を主人公に戦争の不条理と愚かしさをこき下ろす、いわゆるブラックコメディーである。

脇役のジョンは労働者階級の一兵卒。上官には愛想よくもするが、癖のある辛辣な皮肉屋で、野戦で追撃砲弾を受け「予想していた」と落命する。14年後にニューヨークで銃撃に倒れた悲運を思うとあまりに痛ましい。この映画で、劇中ジョンがかけていた庶民的な丸いメガネは、その後の彼のイメージを作ったし、作品にみなぎる戦争への嫌悪は、彼の表現や主張と重なる。この映画撮影中に「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」を書き、撮影後スタジオで結実させる。これ以後、LIVEで演奏できない曲が次々と生み出されるわけだ。またこの映画撮影終了直後にオノ・ヨーコに出会っている。いうなれば、ジョンにとって大きな転機となった映画出演だったといっていい。この映画に出演するために、(LIVE用の)マッシュルーム・カットを切った。その髪の毛が、米国で競売にかけられた、というハナシだ。ちなみに髪の毛は$35000(約394万円)で落札されたらしい。

…恥ずかしながら、私はこの映画の存在を知らなかった。こりゃあ、暇なときに妻といっしょに見なければと思う。

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