はとバスのHPより 外国人向けのツアー案内 |
バスに乗る前から、英語で笑わせる仕事は始まる。搭乗券を確認する時、「2B」の番号を持つ人に順番が回ってきたら、「トゥービー」なので、すかさず「To be, or not to be.」とつぶやくらしい。シェイクスピアのハムレットの有名なセリフ(生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。)である。なるほど。欧米人なら知らない人はいない。毎回大ウケするらしい。
皇居で楠木正成の銅像を見て、「誰?」と聞かれたら、「トム・クルーズです。」(映画ラスト・サムライにひっかけている。)「OH」と受けるらしい。もちろん正確な説明もするが、最初からそういう硬いガイドをするよりはるかに良い。お客さんは勉強のためではなく、楽しむために旅をしているのだと、佐藤さんは考えている。
バスの集合時間に時間前に集まるのは欧米人のお客は苦手だ。そこで、「バスは10時ちょうどに出発します。1分過ぎてもバスはいません。乗り遅れた人はあそこの素敵なホテルに自費で泊まって下さい。」と言うと乗り遅れる客はいなくなったそうだ。
ウソでは人は笑わない。「言われてみればそうだね。」くらいがいいらしい。東京に来た客は人の多さにびっくりする。「東京の人口は?」と聞かれたら、「日本の人口は、とてもよく管理されています。1億2345万6789人です。その約10%が東京の人口なので、1234万5678人と0.9人です。」
「日本の女性はなぜスリムなの?」と聞かれれば、「満員の通勤電車に乗りづらいからです。」
「東京はピカピカの車しか走っていないね。」と聞かれれば「日本のビジネスマンのステータスの象徴として車を所有します。汚い車ではガレージの飾りになりません。」
…こういうウィットに富んだガイドさんがいるのだった。私は特に最初の『2B』の逸話が好き。シェークスピアは、聖書、ギリシア神話と並んで欧米人の教養の中核である。日本では、シェークスピアはおろか、聖書もギリシア神話も、高校では全く学ぶ機会がない。(私は聖書は詳しく教えるが、ギリシア神話までは手が届かない。)欧米で通用する教養ある人材を育成するのなら、、これらは文系理系に関わらず、大学ではきっちと抑えるべきものだ。
もし、使える機会があれば「2B」のギャグ、是非とも使ってみたい、と思うのだった。
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