異常な8月も終わりである。明日から平常授業となる。酷暑はまだ続くらしいが、とにかく9月である。学校の方は、文化祭まであと20日となった。ちらほらとその熱気がゲリラ的に襲ってくる。私は、文化祭のようなイベントが大好きな教師である。本校は進学校であり、必ずしもその方面に熱心ではない。生徒が優秀なのでまかせきりが善であるという見方が強い。私は、本校生の場合、ちょっとアドバイスするだけで十分だと思うが、常々イベントで「人」を育てるという教師の本分を決して忘れてはならないと思っている。今日の画像は、私が2年生の担任だった時、文化祭の舞台発表とアメリカ研修旅行でのU校との交流をリンクさせたミュージカル「OZの魔法使い」の最終場面である。私が、生徒諸君に要望したのは、文化祭とアメリカ研修旅行をリンクさせることという一点だけだった。どうせなら素晴らしいものを創り上げて欲しかった。
そこで、オリジナルの”イベント・マニュアル”を作った。イベントは人づくりであること。人が育てばイベントは成功であること。次に台本づくりのポイント。基本ポリシーと各シーン、台詞のコンセプトの一致こそが良い台本であること。さらに技術的なポイント。舞台の音響と照明、舞台クルーの動き云々。
私が彼らにしてあげたのは、基本的にはこれだけ。後はおまかせ定食であった。とはいえ、じっくり観察しアドバイスを求められた時はちゃんと答えたつもりである。いやあ、凄いクラスだった。ガンガン進めていくし、ガンガンアドバイスも求めてくる。予想をはるかに超えたいいミュージカルだった。ただ、意外だったのは、文化祭での最後の「オーバー・ザ・レインボー」は日本語の3部合唱だったことだ。よく知らなかった私はビデオを回しながら「あれ?」と思っていた。しかしアメリカでの最終公演では、全て英語に変わっていた。音楽室で、3部合唱の練習を見ていると、彼らの底力を感じた。あくまで本気なのである。3台のピアノがフル回転していた。 文化祭は終わっても、アメリカ公演へOZは進化を続けていたのだった。そこがまた嬉しい。
文化祭では、表に出るメンバーも脇役も、大道具も小道具も、裏方もそれぞれが”責任ある行動”に徹してくれた。私には十分だった。彼らは受験でも大きく成長したが、この2年生の文化祭でも大きく成長したと思っている。
担任はいい。担任にとって生徒は夢のモナドである。

























