郷土館の前の道から町見地区と風車を望む(拡大できます) |
ちょうどTさんがおられて、館内を案内していただいた。まず玄関ホールにある佐田岬半島をキルト風にアレンジした地図が面白い。ここにある丸い赤いモノは、草鞋(わらじ)であるそうだ。地元の方が協力して作られたらしい。三崎より東の各地区では、集落の入り口付近に巨大な草鞋をつくり、魔除けとしたそうだ。このような草鞋を履く大きな巨人がいるぞ、ということらしい。2003年現在の資料では10地区14カ所にあったようで、現在もあるという。問題は稲作をしていない伊方町内では藁を調達することが難しくなってきているとのこと。この風習(オオヒトさまの大ぞうり、オニのコンゴー:鬼の金剛草履)は愛媛県南部から高知県中西部で見られるようで、毎年2月くらいに新しいモノが作られるらしい。念仏を唱えながらつくるといただいた資料に書かれてあった。三崎は臨済宗妙心寺派が多いので、大草履がないのだろうと私などは推測する。蒼い石垣と共に、各地区を回って大草鞋を発見する楽しみができたのだった。
さて、館内に入ると、打瀬舟がまず目を引く。これでアメリカに密航した人々もいるとか。(ヨットで太平洋を渡った)堀江謙一氏も真っ青な話である。大きさは、メイフラワー号と同じくらいかもしれない。
四季を通じての展示も面白かった。佐田岬は昔は麦と芋の生産を生業にしていた。その様々な農機具や生活用品が展示されている。冬は杜氏(とうじ)として各地に酒造りに出稼ぎしていたという歴史もあるそうだ。昨日大洲で見た養蚕も一時期やっていたようだ。ただ、この養蚕にまつわる祭りはないそうで、やはり祭りというものは長い歴史がつくるものなのだ。ところで伊方の祭りには「牛」が登場することが多いが、これはやはり宇和島の伊達藩の影響が大きいらしい。一昨日の名取での学びにに通じていく。
T学芸員さんの詳しい説明と様々な展示物(紙粘土や発泡スチロールのレプリカなど:特にさつまいもは本物そっくりだった。)を制作された地元の協力者の皆さんに感謝したい。
…ここに住んでいるからこそ属性が生まれ、興味深さが増す。この3日間は、夫婦ともども、佐田岬半島の歴史に触れることができて、大いに有意義であった。
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