2015年2月2日月曜日

地球市民の記憶 ヨルダン

ヨルダンの世界遺産ペトラ
常設ページに「地球市民の記憶」と題して、私がこれまで対話したことのある国や地域を記してある。先日、世界史Bの最後の授業で、地球市民として多くの国とつながりを持つことの重要性を訴えた。今日の世界史Bの論文試験でも、「地球市民の記憶」について書かれたものも案外多かった。嬉しいことだ。

さて、後藤さんの事件で、ヨルダンに日本中の注目が集まった。私はヨルダンの人とも対話したことがある。今はもう閉鎖されたJICA大阪に、前任校の3年生を連れて行った時のことだ。たしか1学期の終業式後くらいだったと思う。今思えば国公立や有名私大に現役合格した凄いメンバーだった。(フツーに参加を募ったのだが…。)

JICAの説明の後、研修員として来日しているヨルダンとグアテマラとラオスの方が現れた。3人とも文化遺産・街並みの景観保全などを学ぶために研修中だという建築家であった。おそらく、祖国では期待の若手建築家である。フツーの高校生が気軽に会える相手ではない。もちろん英語での対話になった。JICAの方が、「通訳しましょうか?」と申し出ていただいたのだけけれど、すでに生徒がジョークを飛ばして輪になっていた。(笑)私は、ヨルダンの方(女性だった)に、「私の息子が、ヨルダンの世界遺産ペトラは凄いと言っていました。」と述べると、丁寧にお礼を言ってくれたのを思い出す。もちろん、生徒との会話の糸口になったはずだ。「きれい!」「凄い!」「行ってみたい!」と生徒たちは、彼女のパソコンを覗いて歓声をあげていたからだ。同様に、グアテマラ、ラオスの方とも会話の糸口をつくって、私は喫煙場所に移動した。面白いことに、この3つの国、すべてに息子は旅している。もちろん好印象だったそうだ。

ヨルダンの建築家女史は、いまごろ後藤さんの死を悼んで、祈っていただいていることと思う。日本で研修された知識は彼女の血肉になったはずだ。日本はこういうソフトパワーで、世界各国に貢献している。平和で、親切で、丁寧なサービスの国。こういうイメージが広まっていったのも、日本人全体の努力の賜物である。こういう日本の良さを生かすことこそ、日本の歩むべき道だと私は信じている。

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