2022年9月11日日曜日

SDGsの包摂的という語彙

SDGsが国連から発表され、その直後、外務省の作成した和訳を読んで絶望的な気持ちになったことを思い出す。直訳的で、MDGsを良く知っているつもりの私でもかなり意味不明の文章だった。あれから7年。様々な機会でSDGsを説いているのだが、高校生以上に対しては、やはり17のゴールの説明や関わりだけでSDGsを教えた気になってはいけない、ターゲットを読ませたい、というのが私の持論だ。

画像にある「質の高い教育をみんなに」というのは、後に意訳されたゴールのタイトル。下の二行が本来のタイトルである。このゴールの中にターゲットがそれぞれ書かれている。SDGsのターゲットも、最初の和訳当時よりはいくらか読みやすくはなっているが、いくつかの難解語が登場する。

その最たるものが「包摂的」という語句である。広辞苑といいたいところだが、とりあえずwebkioで検索すると、『1.一定の範囲の中に包み込むこと 2.論理学で、ある概念が、より一般的な概念に包み込まれること。特殊が普通になる関係。例えば、動物という概念は生物という概念に包接される。』となっている。

この包摂的という語彙はゴール内容やターゲット内容にかなり登場する。それだけSDGsの基本概念に関わっているわけで、私は最近、包摂的とは「No one left behind.」(誰ひとり取り残さない)という意味だと教えている。SDGsの理想主義的な決意というか提唱なのだが、極めて重要な概念である。

先日、ある3年生に「No one left behind.」を訳してみてと言ったら、「誰も置き去りにしない」と、受験英語では100点満点の和訳をしてくれた。さすがである。

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