2021年6月27日日曜日

現代アフリカ文化の今

父の日のプレゼントは何がいいかと息子からメールが来た。遅ればせながらということらしい。そこで、荒熊さんと京都精華大学の学長が編者となっている「現代アフリカ文化の今」を所望した。先日、荒熊さんのブログを久しぶりに覗いたら、新著が出ていたのだ。これは購入しなければならない。

この本が、今朝、八幡浜へ買い出しに行く寸前に到着した。当然ながらまだ全部読んでいないのだが、荒熊さんの箇所だけは呼んだ。ラスタの話を書いておられる。私がブルキナファソに行った時、このラスタの人々と合わせてもらった。ラスタについての講義も受けた。あれから幾星霜。当時の中心人物の最近の様子も描かれている。

私自身は、このラスタについて実に興味深く思っている。ラスタとは、諸説あるようだが、ジャマイカのレゲェを代表するボブ・マーリーなんかが音楽で主張した、アフリカ人としての矜持とキリスト教が合体した宗教的色彩をもった若者のアンチ・欧米文化的な運動である。ワガドゥグで私は、ネッスルの缶を使ったアートを見せられ、「欧米の奴らがアフリカに買わせたゴミでアートをつくり、そのゴミを観光客に買わせて持って帰らせるのだ。」といった言説を聞いた。実に分かりやすいロジックだと思った。この論文では、このアンチ・欧米的なるものを「バビロンシステム」と呼んでいる。「バビロン捕囚」を奴隷貿易になぞらえ、アフリカ人を取り巻く資本主義、帝国主義などの抑圧的な制度を意味するようだ。

荒熊さんの論文によると、このラスタはジャマイカ発なので、アフリカ本土では同じ英語圏のガーナで最初流行したらしい。ブルキナなどのフランス語圏では、英語の歌詞を翻訳してから流入したらしい。

この論文には、私ものぞかせてもらった、ラスタマンのラミン氏の土産物屋の写真があり、実に懐かしかった。私はここでエスニックなマスクを購入した。

荒熊さんによると、このラスタは、ブルキナで文化的に定着したようには見えないようだ。アフリカのポップ・カルチャーの盛衰は、はかないものというような結語であった。

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