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ところが、この新政権いつまでもつかわからない。第2党の中道「イェシュアティド」のラピド党首は、右派政党の「ヤミナ」党首のベネット氏にまず首相を託し、2年後に交代するという輪番制をとり、外相に就任するという。この連合政権、右派、中道、左派さらにアラブ系政党も入っており、定数120で賛成60、反対59、棄権1で成立した。きわどい成立過程である。ちなみに、新首相のベネット氏は、ネタニヤフ以上の対ハマス・対イラン強硬派との見方もある。
一方、パレスチナ自治区の方でも、ファタハのアッバース議長(第2代大統領)が居座っている。こちらもかなりドロドロした政権で、アラファト初代大統領の元、初代首相になったが、アラファトに実権を渡されず辞任。アラファト死後の2005年から大統領に当選した。以来、選挙を避け続けている。
今回のガザのハマスとイスラエルの紛争も、パレスチナの議会選挙は東イェルサレムの投票が保障されなければ実施しないと言ったことも原因のひとつと言われている。東イェルサレムは、以前息子夫婦が住んでいたところで、私も滞在していたが事実上イスラエル内であり、そこに住むアラブ人が投票することは考えにくい。要するに、選挙回避策である。ハマスは、このようなヨルダン西岸の弱腰に付け込み、ヨルダン西岸でも勢力を得るためにイスラエル攻撃に踏み切ったという推測である。
ネタニヤフの方が民主的ではあるが、アッパースも五十歩百歩の二人の権力への執着が、ハマスに利用され、多くの死傷者が出たといってよい。これから先も全く予断を許さない状況が続くのではないだろうか。
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