2020年11月28日土曜日

出前塾の用意

今年の未咲輝塾の最大の戦略は、出前塾である。伊方町内には3つの中学校があるのだが、中学3年生が部活動を引退した後、高校受験に向けて放課後の補習が始まってから、塾の講師を派遣し、町内の中学生の学力向上に資するというものである。すでにM中学、S中学には数学や英語の講師を派遣している。もう一つのI中学は5教科への注文が来ている。つまり、私の社会科も注文を受けている。期末考査が終わった直後に行くことになっている。

高校受験のコツ、高校受験の重要課題、高校で必要な学力などのリクエストがあったので、私は、一神教の話をすることにした。中学にはない倫理の話をしようと思うのだ。中学では基礎的な地理・歴史・公民を教える。事項の関連性より、キーワードの暗記主体になる。だが、高校ではさらに詳細になるし、その関連性こそが重要だと私は信じている。その源が倫理という教科だし、中でも一神教理解は、世界史、地理、政治経済などの関連性理解のベースになるものだからだ。

これまでの私の一神教理解で、最も重要だと思うのはエルサレムの重要性である。イエスが十字架にかかった地であることは日本人にも知られているが、岩のドーム・嘆きの壁のことはあまり知られていない。神にパレスチナを約束の地として与えられたアブラハムがイサクを生贄にしようとした岩=ユダヤ教の神殿跡であり、ここからムハンマドが昇天している。このことをまず教えようと思っている。十字軍や中東問題を理解するための土台である。

また、一神教の登場人物の名前が、欧米人の名前になっていることは、やはり学ぶ人の属性に刺激を与えると思っている。これも語ろうと思う。イエスに洗礼をしたヨハネ=ジョン(英語)は、イワン(露)だし、ヤン(独)ジャン(仏)であるし、ペテロ=ピーター(英)は、ピョートル(露)、ピエトロ(伊)である。ピョートル大帝が造ったサンクトペテルスブルグ(聖なるペテロの街)やバチカンのサン・ピエトロ(聖なるペテロ)寺院(ペテロの墓がある)の理解につながる。アブラハムは、エイブラハムだし、イサクはアイザックである。まあ、教えだしたらキリがないのだが…。

本当は、ユダヤ・キリスト・イスラムの三宗教の構造を理解させたいのだが、中学生にはちょっと難しいと思う。キリスト教にはユダヤの律法(イスラム教で言えばシャリーア)がない。このことが、神の設計図を理性によって知ろうとする歴史(近代西洋哲学や社会契約論につながる)を教えるのは時間的な余裕もないし、あきらめた。さて、どうするか、もう少し悩んでみようと思う。

担当の先生からは、社会科の勉強のコツも是非と言われた。何よりも面白いと思う事、きちんと整理して覚えること。これしかないのだけれど…。

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