2017年7月15日土曜日

カタールとドルペッグ制

http://eldorar.com/node/80087
昨日のロイターのWEB記事で、カタールの断交問題が長引けば国際金融に大きな影響が出るだろうという観測記事があった。カタールも、サウジなど中東湾岸諸国もドルペッグ制をとっている。要するにUSドルに連動した固定相場制をとっているわけだ。この最大のメリットは自国通貨が安定することである。ただし、アメリカの金融政策の影響をもろに受けるというデメリットもある。特にドル高の場合、アジア通貨危機の時のように自国通貨を守れなかった場合大変なことになる。

アメリカのFRBが金利を上げ、ドル高傾向なだけに、カタールは、断交騒ぎの中で通貨リヤルの防衛を迫られているらしい。ただし、世界有数のお金持ち国故に、防衛するための外貨準備や金、株などの債券、さらに海岸の不動産など十分に持っている。とはいえ、これらを売り払わなくても(実際は不動産などはすぐ換金できない。)、新たな起債で対応できるだろうとの観測だ。とはいえ、断交が長期化し、カタールが海外不動産などの資産の売却をやりはじめたら、国際金融市場に大きな影響があるだろうというのだ。

同時に断交をしている他の湾岸諸国も、それに連動してドルペッグ制の防衛を迫られることも十分考えられる。世界に拡散したオイルマネーによる資産の売却が行われた時、どういう展開になるか、読みにくいというわけだ。おなじロイターの記事で、石油価格の低迷で、アメリカ国債のシェアもかなり低下しているという情報もある。

…また、そぞろ資本主義の妖怪たちがよからぬ相談をしているように思うのは私だけではないと思うのだが…。

https://jp.reuters.com/article/qatar-petrodollars-idJPKBN19Y07P
http://jp.reuters.com/article/column-waning-power-of-petrodollar-idJPKBN19Z0L8

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