2017年7月19日水曜日

IBTの話(108) 観音信仰と牛肉

イポー市にある有名な観音洞
http://perakipoh.blogspot.my/2013/07/guan-yin-tong.html
火曜日の放課後は総合科目の補習である。GATTのウルグアイ・ラウンドの話をしていて、ウルグアイについての地理的な復習もかねて質問していた。「ここは太いステーキがたらふく食べられるステーキな国で…。」と親父ギャグを入れながら(日本語力が上がってきているので、そんなシャレで笑えるまでにまで進歩してきている。)説明していると、「私は牛肉は食べないんです。」と何人かの学生が言い出した。「?」中華系にそんな食のタブーがあるのだろうか?一応、「牛肉を食べない人は?」と聞くと、半数ぐらいが手を挙げた。「えええええっ。」と私はかなり驚いたのだった。「観音様を信仰するチャイニーズは牛肉を食べないのです。」と説明してくれた。

観音様すなわち仏教に於ける観世音菩薩であるが、どう関係するのか?自分で調べてみた。この観世音菩薩が出家し仏道に入るのを、父親が強く反対したらしい。それで、父親は地獄に堕ちてしまう。地獄に助けに行った観世音菩薩に対し、父親は、牛となって人々を助けることを誓う。よって、牛は観世音菩薩の父親なのである。よって、その肉を食べることは、観世音菩薩を信仰する者にとっては、タブーとなったらしい。

今日改めて聞くと、牛乳やその加工品であるチーズやバターなどはOKだという。牛肉やその骨を使ったスープなどはダメらしい。

仏教では殺生戒があって、出家者はベジタリアンという話は日本でもあるが、牛肉へのタブーは聞いたことがない。そうか、彼らは留学してもスキヤキは食べられないのか…と思った次第。

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