2014年4月15日火曜日

世界史Bでルイジアナを語る

 昨年世界史は、ヨーロッパ史を中心に近代国家論をやった。民主主義の確立をまずテーマに、イギリスのピューリタン革命・名誉革命、さらにフランス革命、ナポレオンときて国民国家論に結びつけたのだった。2単位ではこれが限界。で、その間にあるアメリカ独立革命は3年生でやる、と生徒に言っていた。世界史は、とにかく地理的な知識がないと、あちこちに飛んでいくと円広志の歌ではないが、頭の中が”まわって、まわって”ぐちゃぐちゃになるのだ。最近の中学の地理教育は、かなりレベルが低いので、あえてすっ飛ばしたのだった。

で、アメリカの独立革命の話である。まずは、フランスの勢力範囲であるセントローレンス川とミシシッピ流域の話になる。なんとなく、ピューリタンがメイフラワー号に乗ってやってきてアメリカが建国された、などというのは、全くの間違い。スペイン、フランス、オランダなどがまずやってくる。イギリスは後発組である。ところで、私はミシシッピ「川」と呼ぶのには抵抗がある。「ミシシッピ」だけで、ネイティブ・アメリカンの言葉で「偉大な川」を意味するからである。この流域をフランス人たちは、ブルボン朝の王・ルイの名を取って「ルイジアナ」とした。面白いのは、フランス人は、ネイティブ・アメリカンとは毛皮取引を生業としていて友好的な関係だった。ちなみにデトロイトは毛皮の集散地であったし、後に自動車産業の首都となったデトロイトが生んだ高級車は、当時の毛皮取引のための砦の名前をつけたのだ。それがキャデラックである。

つい、話が脱線してしまう。今のルイジアナ州の話だけでも、生徒の興味を引く話はいくらでもある。ちょっと州コードを教えた。ルイジアナはLAである。ニューオリンズの近くに、、ピザなどにかける「タバスコ」の工場がある。世界中のタバスコはここで生産されている。生徒に、「家に帰ったら見てごらん。ラベルにLAと書いてあるから。」と言っておいた。(「タバスコにLA、ありましたようぉ。」と何人かの生徒から反応が返ってきた。笑)またニューオリンズの北に、楕円形の湖がある。ポンチャートレイン湖というのだが、ここに直線の橋が架かっている。よくCMで車が両側が海のような直線道路を走っていくのがあるが、この湖であることが多い。(もしくはフロリダ州のキーウエストへ向かう海上のR1、セブンマイル・ブリッジである。)そんな話をしていると、全く進まない。(笑)

ポンチャートレイン湖
13のイギリス系のコロニーについては、山師のようなイギリス人がヴァージニアにやってきた話。タバコ栽培で、ネイティブアメリカンに助けられながら、土地を奪っていく話。クエーカー教徒のウィリアム=ペンが信教の自由を求めてペンシルベニア(ペンの森という意味になる。)を拓く話。だから今もPAにはアーミッシュがいることなど、これまた話すと止まらない。メリーランドもアイルランド人のボルチモア卿が拓いた。だからカトリックが多いのだが、専門的になりすぎるから、ベーブ・ルースの生家があって今は博物館、などと言って終わることにした。(笑)

いずれにせよ、土地を奪うイギリス人と毛皮交換のフランス人。ヨーロッパの対立を持ち込んだ英仏の戦い、ネイティブアメリカンが味方するのはどちらか、わかりきった話である。これが、フレンチ=インディアン戦争である。この戦争がアメリカ独立に大きく影響するわけだ。

こんな感じでガンガン世界史Bは進んでいる。

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