2023年6月6日火曜日

12万円で世界を歩くreturns

地元の図書館で、下川裕治本を見つけて借りてきた。昔、「12万円で世界を歩く」という本があって、当然下川裕治のファンである私も読んでいる。そのリターンズという赤と黄色の文庫本2冊である。30年の時を超えて、今一度その行程を同じ金額で辿ろうという趣旨である。

貧乏旅行作家という不名誉な称号を持つ下川裕治も60歳を超え、体力的な衰えを感じながら、30年前の旅に挑戦していく。その辺はあまりに同苦してしまうところであるが、どちらかというと、それ以上に変化した社会を描いている。

30年前というと、私が初めて一人旅(=貧乏旅行)にでかけたニューヨーク行を思い出す。「12万円で世界を歩く」では、「格安航空券」を使い、さらに(格安で乗り放題の)グレイハウンドの全米周遊パスで、全米を一周している。私も、エイビーロードという雑誌を購入して最安値の航空券を探し出した。ソウル経由のアシアナ航空だった。この航空券はリコンファーム(帰路に乗る前の確認電話)が必要で、ニューヨークの公衆電話から、アシアナ航空の支店に電話したことを記憶している。サバイバルイングリッシュでなんとか通じた。(笑)少し調べてみたが、当時のニューヨーク地下鉄では、トークンという5円玉のようなコインで同一料金で乗れた。今は、当然ながら使われていないようだ。うーん。まさに今は昔である。

さすがに、アメリカのグレイハウンドを使うことはなかった。3度めのアメリカ行からはレンタカーを利用した。当時のグレイハウンド社のバスは、貧困層の人々の乗り物で、かなりリスキー‐だったし、下川氏の本の情報によると極めて長時間にわたり、過酷だと感じていたので避けたのだ。乗り場であるバスディーポもかなりリスキーだと言われていた。しかし、2度めのアフリカ行ではグレイハウンド社のバスを利用して南ア・プレトリアからジンバブエ・ハラレまで往復した。アフリカでは、グレイハウンド社のバスは最高級扱いで当然値段もそれなりなのだが…。ローカルの恐ろしげなバスがたくさん存在していたことを国境やジンバブエのバスターミナルで知った。きっと運賃は安いだろうが外国人には販売していなかったと思う。 

安い移動手段だったアメリカのグレイハウンドもかなり高くなっていたし、アジアでは、LCCや高速鉄道ができて、大きく様変わりしていた。さすが30年という月日の変化は大きい。もうひとり旅することもないだろうが、今や携帯電話でホテルや交通機関を予約し、グーグルマップで検索しながら移動する旅になっている。デジタルデバイドの私などは、もうついていけない気がする。

2023年6月4日日曜日

高槻 SALAM COFFEE に寄る。

狂言を見に行く前に、SALAM COFFEEというイエメン人のタレックさんがやっているモカ・コーヒー専門店に寄ってきた。タレックさんのことは、You Tubeで知ったのだが、イエメンにはいろいろと縁がある。何を隠そう息子夫婦の出会いの場所がイエメンの首都サヌアである。(笑)初めてそのことを知った時は我が夫婦はのけぞった。(笑)長くフーシ派との内戦が続いており、世界遺産・サヌアの高層建築軍も破壊されたと聞いている。サウジとイランの国交回復で、内戦もようやく終わろうかとしている。マスターはそんなイエメン情勢の解説のためにYou Tubeに出演しておられたのである。

https://www.youtube.com/watch?v=qPdpKti-9Aw&ab_channel=%E3%80%90%E8%B6%8A%E5%A2%833.0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%80%91%E7%9F%B3%E7%94%B0%E5%92%8C%E9%9D%96

本格的なモカコーヒーの専門店で店舗は小さいが、You Tubeのお陰でかなりネット販売が好評らしい。ちょうと新たに入荷したとのこと。我が家は、モカではなくデーツを購入したのだった。色々話を伺っていたのだが、京都にある息子夫婦の中東カフェ「Finjan」のこともご存知であったのには驚いた。是非一度行きたいと言われていた。もしかしたら、なんらかのジョイント・イベントが行われるかもしれない。ちょっと楽しみである。

SALAM COFFEE 大阪府高槻市津之江1-60-1 050‐316‐38488 https://mochaorigins.com/ 

高槻に狂言を見に行く。

https://kyotokyogen.com/schedule/
前から楽しみにしていた茂山一族デラックス狂言会に行ってきた。高槻市の高槻城公園文化劇場南館のこけら落とし公演でもある。演目は、狂言らしい狂言で太郎冠者も出てくる「延命袋」と40人を超える狂言で最も演者の多い「唐(とう)相撲」である。

「唐相撲」は、唐の帝王が、日本に帰りたいという力士に、もう一度相撲が見たいというわけで、臣下を戦わせるのだが、全て負けてしまい最後は自ら相撲を取ると言い出す「曲」である。自宅に帰ってから、能舞台で行われている過去の唐相撲のYou Tubeを見たのだけれど、今日の舞台のほうが遥かに見応えがあった。https://www.youtube.com/watch?v=Yj3xlVkt728&ab_channel=clubsoja

というのも、能舞台に比べはるかに舞台面積が広いので、中央に玉座があり、三列に全出演者が座しており、迫力が違う。しかもホリゾントの照明もシンプルかつ効果的に使われていたのである。狂言にしては、衣装が中国風で派手なので、映えるわけだ。相撲と言っても裸ではない。(上記You Tubeや今日の画像を拡大するとわかる)相撲の内容が、コミカルで実におかしい。仕草の一つひとつも狂言であるので実に楽しい。

演者の中には、幼児も入っていて、頑張って大人に合わせていた。それが可愛い。今回は一般応募の出演者もいて、とにかく大人数なのだ。また日本人力士と通詞兼行事役以外の唐人役はすべて「唐音」という中国語風の発音を真似た創作の言葉を使う。これがまた意味もなくおかしい。

実に楽しい時間を過ごさせてもらった。

2023年6月3日土曜日

ベルギー国王の毅然

https://all-about-africa.com/africanews-219/
ベルギー国王が、中国に毅然と物申している。「文化の歪曲を止め、コロナ19に対する責任を取れ」このフィリップ国王は他のヨーロッパの君主国に比べて比較的政治的な影響力を持っている。と、いうのもベルギーはフラマン人とワロン人間の言語的な対立があるからだ。国王は両者を取り持つ要的存在である。

国王は、2020年6月30日、コンゴ民主共和国に対して、自筆の手紙を送り謝罪を行った、コンゴで2000万人を虐殺したと言われる当時の国王レオポルド2世の像に赤いペンキを塗り、アフリカの人々の人権を踏みにじった犯罪者である、と公式化した。珍しく気骨のある真っ当な人だ。

中国資本が多く入っていながら、臆することなくベルギー国会で中国批判の演説を行った。「日本を含む多くのアジア諸国に住む中国人の犯罪率が著しく多いという事実を根拠に、中国は人為的な愛国心を高めるための中華思想教育ではなく、国民に対する基本的な道徳教育を行うべきだ。」さらに、現地で婦人を助けた日本人青年に無実の罪を着せ”日本人は悪い”として逮捕するような、中国のやり方・嘘に対し毅然とした態度で発言している。ベルギー国民が賛同し、世界に拡散中である。
「ベルギー国王の断言に戸惑った中国政府」以下がYou TubeのURL。
https://www.youtube.com/watch?v=PrTZ4GG7uLU&t=357s&ab_channel=%E4%BB%8A%E6%97%A5%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC

中国共産党の本音

https://www.polandballwiki.com/wiki/Chinaball#/media/File:A_new_year_celebrating_PRCball.jpg
「不識塾が選んだ資本主義以後を生きるための教養書」(中谷巌/集英社インターナショナル)を,木曜日に市立図書館に返却したのだが、最後にこれだけはエントリーしておこうと思った内容がある。塾のメンバーが海外視察で中国を訪れた時に、某有名大学の副学長(法学専門)らと、知的所有権問題、国際市場でのダンピング問題、国際連合のあり方などについて議論した時に漏れた彼らの本音の内容である。(P118)

「我々は、火薬や印刷、羅針盤などの特許料をいまだもらっていない。欧米人こそ知的所有権を侵害している。」「そもそも中国は欧米的な法治国家を目指していないし、法治国家はおろか民主国家にも絶対ならない。」「WTOのルールはこれまで米国が主導してきたが、これからは中国と米国で作っていくので日本に文句を言われる筋合いはない。」「国際連合は戦勝国連合だから日本とドイツは永久に常任理事国にはなれない。」

これが中国共産党の本音であるらしい。

2023年6月2日金曜日

大雨警報 奇妙な一日

気象庁HPより 18時現在
台風の影響でまたJRが遅れたり止まったりする可能性が高いので。今朝はいつもよりだいぶ早く妻の運転で駅に向かった。6時10分発の新三田行き普通が来たので飛び乗った。まだすいていたので座って三田まで。ひたすら昨日市立図書館で借りた「メディアが報じない戦争のリアル」(小川和久/SB新書)を読みふけっていた。順調に進んでいたのだが、携帯のアラームが鳴った。枚方市に大雨警報が出た。三田市を見たら同じく大雨警報。学園が休校になる可能性が出てきた。

伊丹、川西池田、宝塚を過ぎても学園生の姿はない。結局三田に着いても姿はなく、休校を確信した。とはいえ、万が一のこともあるのでそのまま学園に向かった。結局、教頭先生に確認したが、大変申し訳無さそうに、「10時に警報解除はないと思いますので、JRが止まらないうちに御帰宅ください。」と言っていただけた。このような場合、遠距離通勤の私に学園からの休校連絡は間に合わない故である。(笑)いつも教頭先生には気を使ってもらい、反対に申し訳なく思うのである。

とはいえ、急いで戻ることにした。幸い、朝なので、同志社前行きの区間快速が三田駅から出るようだ。帰路はいつも尼崎や宝塚で乗り換えるのだが、珍しく直通で帰宅できた。妻に連絡すると、タクシーで帰ってきても良いということで、かなりの強い雨脚だったし、数年ぶりに最寄り駅からタクシーに乗った。

その後、我が自宅は土砂崩れ警報もだんだん上がっていき、レベル4まで上がった。幸い我が自宅は山肌に面していないので全く心配しなかったのだが、近くの山肌を背にしたお宅は不安だったのではないかと思う。先程、その警報も解除された。奇妙な一日だった。

2023年6月1日木曜日

しめやかな激情 戦闘的な恬淡

https://forzastyle.com/articles/-/62236
ハーバード大学のサンデル教授が大谷翔平君のある日本人ならではの能力(謙虚な姿勢)を大絶賛しているというYou Tubeを今日見た。https://www.youtube.com/watchv=SgP9u21DZ0w&ab_channel=%E3%82%A8%E3%82%A6%E3%83%AC%E3%82%AB%E5%88%97%E4%BC%9D

先日、「西田哲学の絶対矛盾自己同一」の最後に、和辻哲郎が、日本人の特性を「しめやかな激情、戦闘的な恬淡」と表現していることをエントリーした。(5月24日付ブログ参照)まさに、大谷君は、この日本人の特性を体現しているといえるだろう。

しめやかな激情…さすがにWBCのメキシコ戦では、2塁打を打った後、大きなジェスチャーで味方を鼓舞したし、アメリカ戦でトラウトを見逃し三振に討ち取った後、帽子を飛ばし喜びを表現したけれど、MLBでは、勝ちたいという闘志をうちに秘めている。だからこそのストイックな、ハード・トレーニング、食事管理・体調管理をしているわけだ。

戦闘的な恬淡…大谷君は、対戦相手を常にリスペクトしている。審判に対しても、審判の名を呼び、きちっと礼を尽くしている。これは、様々なインタヴューでもそうだ。「なおエ」が流行語になっているが、先発して勝利投手の権利を得ても、ホームランを打って打撃で貢献しても、後続のピッチャーが打たれ、「なおエンゼルスは負けました」が多い。だが、それを口に出して非難することはない。(本当はしたいだろうけれど…。)まさに、柔道や相撲の礼に始まり礼に終わるという、相手をまた味方をリスペクトする姿勢を貫いているようだ。

授業で、私は「しめやかな激情」については、「目は口ほどに物を言う」という日本人的な感覚を、「戦闘的な恬淡」については、敗戦直後、マッカーサーが厚木に到着し、皇居前のGHQ本部に移動する時、オープンカーのジープに乗り、凱旋パレード的に移動したのだが、これを見に来た群衆からマッカーサーを守るために、つい先日まで戦っていた日本陸軍が、天皇の命を受けマッカーサー背を向け警護したという事実を伝えた。マッカーサーも豪胆だが、天皇の指示を受けて恬淡を貫いた軍も凄いと私は思う。

この和辻哲郎の言葉を実践する大谷翔平君、絶対矛盾自己同一を成し遂げている姿に、サンデル教授を筆頭に世界中が感動しているのだろう、と思う次第。