私の住処から見える景色 途上国ではない |
前述のマレーシア・ハンドブックによると、この国の人口は2930万人。1人あたりのGNIは$9970とあり、日本大使館の見方は、「人口の少ない中進国」というものだった。
経済規模に比して労働人口が少ない。生産年齢人口は68%、失業率は3%と低いにもかかわらず、である。労働力は慢性的に不足している。しかも中進国なので相対的に賃金が高い。これを受けて外国人労働者が周辺国から200万人もの人々が集まっているとのこと。
マレーシアは、2020年に高所得国(先進国)入りを目指している。1人当たりの国民所得$15000を超えるのが当面の経済政策の目標である。ファンダメンタルズ(主要経済指標)は、比較的堅調で、経済成長率は近年5%台で推移、インフレ率も1~3%で推移している。失業率も前述のように低く、財政の債務残高もGDP比53.5%。(55%が法で定められた上限)となんとかもっている。
同じく住処から見た夜景 絶対途上国ではない |
この短い滞在期間を通じても、マレーシアが「中進国」である、というのは十分納得できる。まず、モノは豊かだ。ミッドバレーのメガモールなどに行けばよくわかるが、先進国のモールと全く変わらない。市場経済バリバリである。ただ、ガバナンスもそうかというと、いろいろなところで見聞するに、まだまだなのかなあと思うところもある。公共バスは、そういった面で最高の教師だ。臨機応変に乗客を拾うところや、安全面(戸を開けたまま走ったり、乗客と会話しながら運転手が運転するとか、カーブでもスピードを緩めないなど)にやや難があったりすると、イスラエルやポーランドを思い出す。(笑)
「人口が少なく、外国人労働者が来ている」というのも、納得する。ここ2・3日650番のバスに乗っていて気が付いたのだが、どうも外国人労働者と思われる若い男性たち(バングラディッシュ人?)が、ある停留所で毎回降りることを発見した。きっと彼らの職場があるのでは思われる。工場か何かがあるのかと思ってGoogle Mapで調べてみたけれど、それらしいものはなかった。だが、間違いなく外国人労働者の人たちだと思われる。
マレーシアの富裕層は10%で、国民所得の32%を持っており、所得下位の10%の人々は2%で、経済格差が大きいという見方もできるだろう。確かに私の隣のコンドには、赤いポルシェに乗っている人がいるし、タマンデサの高級住宅街ではBMWやベンツなどの高級車もよく見かける。ジニ係数は比較的高いわけだ。これが、HDIに影響を与えた可能性がある。
私は政府の経済政策は、かなりうまくいっていると思っている。それについてはまた触れたいと思う。(久しぶりに”ですます調”をやめて”論文調”でエントリーしてみた。やはり、こちらのほうがしっくりときます。笑)
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