2026年1月6日火曜日

米国のベネズエラ侵攻 考Ⅱ

https://x.com/insupport_2014/status/2008068733512871987
今回のベネズエラ侵攻(画像は強襲揚陸艦イオー・ジマ)が与えた中国への影響についてエントリーしたい。南米における外交拠点の喪失といった政治的な話ではなく、経済的な話である。
参考にしたYouTubeチャンネルは、https://www.youtube.com/watch?v=0BHC6DK1YiUである。

まずは、2007年以降、ベネズエラに累計9兆円の融資(一帯一路でも突出している)をしてきた。これは貸付に対し石油を利子として取るという「アンゴラモデル」の南米版である。ただベネズエラの国営石油会社は壊滅的で、生産量はピーク時の1/3になっており、2兆円以上の元本が焦げ付いている。おそらく、新政権は不当債務の法理(国民の合意なく独裁者が私腹を肥やすために借りたもので、新政府と国民に返還義務はない)で無効化させようとするだろう。これは、「アンゴラモデル」の国々に、極めて重要な示唆を示すものとなりそうである。

最大の被害を受けるのは、中国の経済を支えていた山東省のティーポットと呼ばれる複数の中小・独立系製油所である。国営石油会社が見向きもしないベネズエラ産の(安価:1バレルあたり$10~20やすい)「超重質油」(硫黄分や重金属をたっぷり含んだ扱いにくい原油)を専門に扱っている。サウジなどの品質の優れた高価な原油を生成すると装置が損傷・生産性が低くなるし、大赤字になる。彼らは国家のエネルギー政策で輸入制限を受けているので、マレーシア沖で他の原油と混ぜ合わせ、マレーシア産・アスファルト混合物という名目で工業原料として輸入、関税もごまかしていたようだ。(ルールの抜け穴を見つける天才・中国人らしい。笑)

山東省のティーポットは、今回の侵攻で即時廃業するしかない状態に追い込まれる。ところで、ティーポットがベネズエラ産の原油を絞り出した後の残りカスが、最高品質のアスファルトになる。中国のインフラ整備の供給源が潰れれば、その価格は急上昇し、予算オーバーで地方政府の道路工事がストップする。山東省のティーポットの工場労働者だけでなく建設労働者の失業者がまた増大する。

かつて中国に流れていた日量50万バレルのベネズエラ産石油は、これからテキサスの重質油を処理する能力のある製油所へ向かうことになるだろう。今回の侵攻は、中国経済をさらに窮地に追い込むに違いない。

2026年1月5日月曜日

米国のベネズエラ侵攻 考

https://www.youtube.com/watch?v=KvZbYoRQIKw&t=9s
年末から、強襲揚陸艦イオー・ジマ等を沖合に展開させていた米軍は、ついに3日、ベネズエラに侵攻、極めて短時間でマドゥロ大統領夫妻を逮捕、NYCまで移送した。副大統領がその代わりになったようだが、アメリカは民主的な政府が確立するまで残る、という方針である。ベネズエラの大多数の国民は大歓喜している。本日はこのベネズエラ侵攻を考察しておきたい。参考にした信用できるニュースソースとトランプ大統領の演説内容は以下の通りである。

https://www.youtube.com/watch?v=BC2LxYT_4Go

https://www.youtube.com/watch?v=KvZbYoRQIKw

https://www.youtube.com/watch?v=HjeBeQlPcWw

まずは、国際法違反かという点。NYの裁判所から麻薬取締法違反で過去に訴追された、アメリカが大統領とは認めていない(前回の大統領選挙は、どう見ても不正選挙であった:国家元首免責の国際法に対しての立場)マドゥロを逮捕するための軍事行動であった。逮捕目的なのでFBIも同行し、また戦争ではないので国会の承認を得なくてもよいという、この筋道は一応通っている。(1989年のパナマ侵攻でのノリエガ逮捕に相似している。)

EU・西欧諸国の多くは、国際法違反だとはしつつも、今回の侵攻を是認している。日本は、あえて国際法や軍事行動には触れず、自由と民主主義・法の支配の確立という正義を支持する内容で、EU・西欧諸国よりトランプ支持の色合いが濃い。ロシア・中国・イランなどは当然強く批判している。(画像参照/拡大可能)

次に今回の侵攻の目的について考察したい。コロンビアからベネズエラ経由で、アメリカに麻薬が流れていたわけで、後ろ盾を失った麻薬組織もこれで壊滅させられる可能性が高い。トランプも演説の中で第二波(おそらく麻薬組織の撲滅)の可能性について言及している。マドゥロの逮捕・麻薬組織の撲滅・ルートの破壊が今回の侵攻の最大の目的であるといえる。

ベネズエラは社会主義化の際に、埋蔵量で世界一と言われた油田において、アメリカ企業を追い出して国有化した歴史がある。トランプの演説でもその再建が語られていた。ベネズエラはこの油田の設備投資を怠った故に経済危機に陥っており、国民は極度に疲弊していた。社会主義政権以前のアメリカ企業による経営に戻す、というのが2つ目の目的である。このアメリカ企業による採掘は、現状よりはるかに国民に経済的恩恵をもたらすだろう。

アメリカ国内の治安安定をトランプは演説の中でかなり語っている。麻薬と不法移民の蔓延はかなり深刻だったようだ。中南米の政治的・経済的安定は、アメリカへの不法移民の減少に繋がる。最も厳しかったベネズエラが復興すれば、その影響は大きい。これが目的の3つ目である。

ベネズエラの油田は、多額の融資をしていた中国の支配下に置かれる可能性が高かった。これを阻止したというのが4つ目の理由である。ちょうど、中国の特使がベネズエラを訪れて会談した直後に侵攻が行われたのは偶然ではないだろう。見事なタイミングである。中国特使はマドゥロの位置の特定に一役買ったわけだが、彼らは空路・陸路とも封鎖され、人質になった。ベネズエラ国民からすれば彼らは敵であり、これ以後どうなるかは全くわからない。

この米軍の侵攻は、世界中の独裁者に恐怖を植え付けることになった。やろうと思えば米軍は独裁者を簡単に倒すことができることが、白日のもとにさらされたといってよい。これも5つ目の目的に挙げていよいだろう。実際、北朝鮮はこれに呼応してまたミサイルをぶっ放した。北京もテヘランも怯えている可能性が高い。

さて、これもトランプ演説の中で語られていたベネズエラ国民の独裁者(というより犯罪者)を排除できたことで、もたらされる未来が、6つ目の目的であるといえよう。トランブは、あえて副大統領をそのままにした。国民からすれば、大統領選挙のデモクレイジーで敗北した野党統一候補のゴンザレスに一気に託したかったろうが、アメリカの指示ではなく、国民自らが民主的な選挙で次の指導者を選ぶべきだと考えたに違いない。私はこれを強く支持する。

私は、今回の軍事侵攻が、ベネズエラ国民に大歓喜で迎えられていることを何より重視したい。昔ポール・コリアーの開発経済学の本の中に、デモクレイジーの独裁者を先進国が排除し民主化することを推奨するという記述があったことを思い出した。当時は、植民地を多数抱えたイギリス人らしい発想であると思っていたが、トランプが実現してしまった格好だ。たしかに、これも必要悪かもしれないと思ったのである。

2026年1月4日日曜日

ハヤシメシ

我が家は季節感の全くない家で、正月だといっっても、おせち料理もお雑煮も食さない。理由は、そんなに美味いものでもないからである。(笑)ところで、暮れにスーパーで、安売り中の「ハヤシメシ」(画像参照)を購入してみた。これ、なかなかイケるのである。お湯を注ぎ、かき混ぜるだけでハヤシライスになる。学生時代や独身、単身赴任などをしていたら、これは大量にストックしただろうなと思う。

本当は、アメリカのベネズエラへの攻撃、大統領拘束についてエントリーしようと思ったが、もう少し詳細が判明してからにしたい。

2026年1月3日土曜日

今冬の高校・大学ラグビー

https://www.nikkansports.com/sports/photonews/photonews_nsInc_202601030000792-6.html
一昨年の暮、花園に応援に行った東海大仰星高校ラグビー部は、今年ノーシードで苦しい立場だったが、ベスト8に勝ち残った。今日は、前回の決勝戦と同じ桐蔭学園との試合があった。残念ながら22ー32で敗れたのだが、両校とも実にうまい。後半、東海大仰星は、最後の最後まで粘って死力を尽くしていた。素晴らしい試合だった。

大学選手権は、私は縁のある(マレーシアでの日本語学校の経営母体である)帝京大学を応援していたのだが、2日に早稲田大学との準決勝で21-31で敗れた。マレーシアに視察に来られた帝京大学の総長と、ラグビー談義をしたこともある。さぞかし悔しがられているだろうと思う。ラグビー部のことを詳しくご存知で、ある選手の話で盛り上がったのだった。そんなことをふと思い出した。

NHK紅白 反日有罪

https://www.threads.com/@monkey.hamaper/post/DS9sK_iD8mo/media
我が家にはTVがないので、当然ながら紅白歌合戦を見ていない。だが、K-POPのグループの件でネットが大炎上していることを知った。そもそもこの4人組のK-POPグループの1人の中国人が、原爆のきのこ雲を模したランプ(はっきりと広島の原爆云々という制作意図が示されている)を、かわいいとSNSに投稿したことから始まる。このランプ、アマゾンで検索したが制作・販売している会社もはっきりわからない。(おそらく韓国か中国のものだろうと推測できる。)このグループの紅白出場に対し、視聴者の抗議はすさまじかったのだが、NHKは無視して、当日インフルエンザという理由で出なかった問題の中国人を除く3人が出演した。インフルエンザなら残りの3人も感染の危険があり、NHKもよく出場を許可したものだと思う。きっと仮病である。なぜ謝罪をしないのか。中国政府や韓国政府と同根だとしか思えない。

当日の司会は、有吉氏と綾瀬はるか氏であった。両者とも広島出身で、最初にそのことを綾瀬氏がさらっと述べたらしい。このグループの登場時、NHKのアナウンサーは曲目などを述べたらしいが、司会のお二人は、「道具的理性」をかなぐり捨て、本番直前も本番直後もいっさい沈黙して、精一杯の抵抗を見せた。さらに後半に登場した長崎出身の福山雅治には、長崎の原爆に深く関わる姿勢を称賛したそうだ。ちなみに、NHKホールの照明さんも、このグループに対しては、すぐに暗転にしたそうで、スタッフも「道具的理性」に支配されていなかったようだ。

番組終了後、広島・長崎県を中心にNHK受信料解約の動きが、万人単位で静かに、しかし確実に動き始めた。公共放送の偏向姿勢に嫌気が差した被災者の関係者や高齢者、子供のEテレの視聴のため受信料を払っていたが、Eテレでさえ偏向している可能性があると感じた親世代など、これからもますます受信料解約の動きは進むだろう。

儒教には「惻隠の情」という言葉がある。日本人が無意識にもっている他者への思いやりである。原爆のきのこ雲は、ヨーロッパにおけるハーケン・クロイツに等しい。日本人として看過できる話ではない。このグループの祖国である二カ国は、世界的には儒教圏と思われているが、残存するのはルサンチマン化した礼のみ。仁も義もない。

NHKはこれから、受信料の激減と政府・国会による幹部の責任追求、さらには予算の削減(あるいは停止)が行われるだろう。かのK-POPグループの出演時間が、午後とはいえ8:15だったことに、どう申開きするのだろう。意図的だとしか思えない。国の税金と強制的な受信料徴収によって成り立つ公共放送に反日無罪はありえない。その反日姿勢が有罪となる日も近いだろう。

2026年1月2日金曜日

市民宗教(Civil Religion)考

https://www.youtube.com/watch?v=H_Rp09stm7o
社会学で、世俗国家において特定の宗教が国家の正当性や統合を支えている構造を「市民宗教」と呼ぶ。「ふしぎなキリスト教」(橋爪大三郎×大澤真幸/講談社現代新書)の中で語られた内容で、私は知った。アメリカは、多数のプロテスタント教会、イギリスは英国国教会、ドイツは、ルター派とカトリック、ロシアは正教会といった感じである。

本日考察したいのは、中国のことである。中国の長い歴史の中で、後漢の太平道(道教系)の黄巾の乱、同じく五斗米道(道教系)、元と清の白蓮教(道教系)の紅巾の乱、さらに清の義和団(道教系)、拝上帝会(キリスト教系)の太平天国の乱など、王朝に反抗した宗教組織が多く出ている。よって、中国共産党政府が、宗教を弾圧するのは、マルクスの社会主義を妨げるイデオロギーとしての”宗教はアヘン”以上の意味を持っていると考えられる。特に、文化大革命時に、徹底的に仏教寺院・道教寺院、孔子廟などが破壊された。

この中で、儒教は、道徳倫理体系・社会規範の側面が強いが、宗教的要素も併せ持っているので宗教の定義では曖昧な存在であるのだが、文革時には、子が親を走資派として告発することも多く、完全に儒教的な社会規範は破壊された。文革は中国の発展を10年遅らせたと言われるが、それどころではない。中国の市民宗教は、儒教も含めて完全に葬られたのである。

では、現在の中国を支えているのは、マルクス・レーニン主義なのかというと、少なくとも人民の幸福を度外視した状況から「否」としか言えない。共産党員になるには、マルクス・レーニン主義学習は必要不可欠だろうが、現況との相違に意義を唱える共産党員は存在しない。エゴイズム丸出しの拝金主義とスターリニズム・暴力的独裁だけが残った。

昔々、初めて中国を訪れた時、日本語ガイドのKさんが”最後の紅衛兵”であることを知った。彼は、唯物弁証法の立場から、元紅衛兵の自分が日本語ガイドのような走資派的仕事についていることについて、矛盾しているが、その矛盾の存在は当然の理であると言った。なるほど、確かに弁証法的矛盾ではある。Kさんは、今頃どうしているのだろう。

こうしてみると、どんな宗教であれ、市民宗教による倫理観・社会規範のない世界は極めて住みにくいように思うのである。

2026年1月1日木曜日

SDGs10年 残り5年

https://www.quocard.com/individual/column/article/eto2026/
2026年が始まりました(干支は馬です:画像参照)。読者の皆様、明けましておめでとうございます。このブログも18年目に突入しました。Bloggerを使っている故に、日本国内以上に海外の読者に支えられている状況が続いています。グローバリゼーションを実感する日々ですが、新年にあたって、昨秋に10年目を迎えたSDGsについてエントリーしようと思います。

教育関係者の1人としては、日本の教育のコンセプトが、戦後の平和と民主主義教育から、人権教育(1958年生まれの私はその初期にあたります。)へ移り、さらに環境教育、2025年以降はグローバリゼーションの中、SDGsへと変化してきました。今お世話になっている学院でも文化祭で中学生全員がポスターセッションをしていました。

国際理解教育の徒でもある私は、SDGsを極めて重要な国際的指針だと考えています。貧困撲滅中心のMDGsを、中進国はもとより先進国の経済格差にまで拡げ、「誰1人取り残さない」(Leave no one behind)という理想、社会と経済発展と環境のバランス重視など17の目標と169のターゲットには、大いなる人類の知恵が凝縮されていると思います。しかし、2030年までいよいよ後5年を切りました。私には、理想と現実の中で、SDGsとグローバリゼーションは、いささか疲弊しているように見えるのです。

学院での2学期の地理総合の授業では、金融や高度な技術を持つ先進国の周囲に、安価な労働賃金で、先進国のサプライチェーン化した中進国、さらにその周縁に、紛争の罠や資源の罠、内陸国の罠、劣悪なガバナンスの罠などにハマった途上国が存在することを示しました。SDGsの理想は、このサプライチェーン化できないほどの途上国には無縁なものとなっており、欧米先進国や中国の新植民地主義・構造的暴力と自国の専制政治による暴力の二重苦にあえぐ人々は、完全に取り残されているといえるのではないでしょうか。

また、現在の欧州の危機は、ロシアからのエネルギー依存のツケと共に、環境優先を振りかざしすぎて自滅している感があります。クリーンエネルギーの確実性のなさを無視して、また二酸化炭素排出量の制限を声高に叫んでEV車移行を無理に進めたものの、結局様々な材料生産で莫大な環境負担を招いている姿は、いささか滑稽でもあります。結局、新自由主義的なビジネス重視が、SDGsを利用して挫折したといえると思われます。そのEV車需要に乗っかった中国もまた同様です。チャーチルが民主主義を批判しつつも他にこれ以上の制度があれば、との名言を残したように、資本主義もこれ以上の経済制度があればという注釈がつくものだ思います。

SDGsを理想としてではなく、現実の改革の指針とする時が来ているように思うのです。それには、極めて難題ですが、地球市民がそれぞれエゴを捨て、利害を捨てる必要があります。いよいよ仏教の知恵、イスラムの知恵などを見直す時期が来ているように思うのですが…。

…本年もよろしくお願い致します。