エシカル消費の視点やSDGsの環境問題との兼ね合いから見ると、フードマイレージ(食料輸送の距離と仕様交通機関によって、CO2排出の量が増減するので、短距離の方が環境に優しいという考え方)の面からも、地産地消は良いわけだが、地域経済学的に見ると、収入面ではあまり効率的ではないという結論になってしまうのである。これは、国際経済での常識であるリカードの自由貿易の理論(比較優位のある生産物に特化した方が生産量が上がり収益が増える)からも容易に推測できる。これらは高校の政治経済の教科書内容なので、経済学が専門でない私でも理解可能だ。
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四国の西予地域にあって、比較優位がある農業生産物はまちがいなく柑橘類であろう。農家の経営規模は必ずしも大きくはないだろうが、農協の助けを借りてトータルの生産規模では優位に立っているようだ。実際、八幡浜市などで季節労働者を集め、農家に振り分けて労働の効率性を高めていることも知った。比較優位のない農産物は地産地消の方がいいということかもしれない。
これらは地域経済学的に合点しているようにも思える。地産地消は、結局のところ良くも悪くもあるわけだ。こういう「社会科学の見方、あらゆる社会的事象は、タテヨコ、上下から見るべきである、すると正解はいくつかあるのだ。」ということを私は授業で何度も伝えた。その好例であるかもしれない。
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