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日本では話したくてもなかなか時間が取れなかったところだ。EJU(日本留学試験)では、十分範囲に入るのでしっかりと教えておきたい。
ケベック州の独立問題、北アイルランド問題、ベルギーの言語の問題、バスク人の独立問題(カタルーニャの話もプラスする。)そして、クルド人問題、チェチェン紛争…。
クルド問題もチェチェンの問題も、今のシリア内戦と深く関わってくるので、歴史的背景も含めて、じっくりと講じてみた。クルド人の問題は、やはりオスマントルコ崩壊後のイスラムの共同体の崩壊=カリフの不在が、やはり大きな影を落としている。英仏にいいように分割されて、ある意味最大の被害者かもしれない。チェチェンもまた、スターリンの被害者だと言える。山岳民族が強いことは、中世以来のスイスの傭兵の話(今なお、バチカンの警備はスイス人だ。)、あるいはネパールのグルカ兵(マレーシアの警備担当者はマレー人かネパール人と法律で決まっているらしい。)などで実証済みである。チェチェンも強いわけだ。しかも「血の掟」をもっている。そんな話をしながら、政府軍・反政府軍・ISの三つ巴に、米英仏露土とシーア派のイラン・イラクを入れて、大まかにシリア内戦の構図を描いてみた。(ISの詳しい話は、またあとでする予定にしている。)
目を輝かせて聞いている生徒が多い。その多くは国際関係の大学に進学を希望している生徒たちである。おそらく、全く初めて聞くシリア内戦の「解説」なのだと思う。彼らにとって私は「池上彰」(どっちかというと、露出度の多い今の池上彰ではなく、昔NHKで”週刊・こどもニュース”をやっていたころの池上彰)である。(笑)
今日の最後は、両クラスとも、ルワンダのジェノサイド話をしていた。ツチとフツの話である。ここは、ベルギーによって植民地支配のために、少数派として作られたツチという民族が、多数派のフツ(ツチとほとんど変わらない)を支配する構造が作られた。南アのアパルトヘイトも、支配者のイギリスが、少数派白人のオランダ系のアフリカーナに多数派の黒人を支配させた。これがアパルトヘイトである。現在のシリア内戦もフランスが、少数派のアラウィー派のアサド政権に多数派のスンニーを支配させる構図から始まった。こういう社会科学的な法則性のある「少数派を使った支配の構図」を発見することにも大きな意味があると思う。
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