2013年8月11日日曜日

ワシントン行進から50年

ワシントン記念塔を臨んでキング牧師
先日、毎日新聞の記事で、今月28日にワシントン行進50周年を記念して、オバマ大統領がリンカーン記念堂の前で演説をする予定だということを知った。
有名なマーチン=ルーサー=キングJR牧師の「I have a dream.」の演説が行われた同じ場所である。

ワシントンDCには、キャピタル・ヒル(国会議事堂)の裏側のバルコニーからモールという芝生の公園があり、ワシントン記念塔、さらにリンカーン記念堂へと一直線に続く地域がある。

リンカーン記念堂内には、どどーんとリンカーンの座像がある。有名なゲチスバーグの演説をきざんだ碑もある。リンカーンといえば「奴隷解放」で有名だ。しかし北部と南部の産業構造の違いや近代化に対する姿勢の違いなど様々な要因が、南部諸州の連邦からの離脱に繋がった南北戦争に勝利し、連邦(合衆国)を守った大統領といった方がいいと思われる。リンカーン自身自分の農場で奴隷を所持していたとの説もある。奴隷制廃止は、アメリカにおける資本主義化(近代化)の理念のひとつであったと考えた方がいいかもしれない。

実際、黒人の地位や差別は、リンカーン以後、劇的に変化したわけではない。WWⅡ以後の公民権運動で、元奴隷であったアフリカ系アメリカ人は自ら立ち上がることになる。マルコムXらの暴力的なものもあったが、その大勢はキング牧師の非暴力主義であった。そのキング牧師も、例の演説後、暗殺される。彼の遺骸を乗り越えてやっと公民権法が成立するのだ。

アメリカには、キング牧師の日という連邦の祝日がある。全米で公式に祝う日は10日ほどと少なく、そういう意味では大きな意義がある。個人の名を冠する全米の祝日は、あとイエス(クリスマス)とコロンブスだけだ。反対する州もあり、制定までかなりかかったのだが、1月の第3月曜が祝日となっている。(1月15日がキング牧師の誕生日だが、三連休にするためにそうなっている。)私は、最初のアメリカ行で、現地のカレンダーを買って帰ってきて、偶然気付いた。

アフリカ系アメリカ人への、表立った差別は見えにくくなったのは事実だ。しかし最近もフロリダ州で起こった殺人事件で、全米は揺れた。人種差別は冥伏しているに過ぎない。

とりあえず、奴隷解放・民主主義に大きな功績があったリンカーン座像の前で、キング牧師の立った場所で、初のアフリカ系大統領であるオバマは、この状況を払しょくできるような歴史的演説を行う事ができるのだろうか?私は楽しみにしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130808-00000072-mai-n_ame

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