2022年5月6日金曜日

沿ドニエストル共和国 考1

https://www.ryman-traveler.com/entry/2018/07/21/151954
ウクライナ戦争について、私は言いしれぬ不信感を抱いている。それは、もたらされる情報が真実なのか否かがわからないからだ。ロシアもウクライナもどうも信じがたい側面がある。だから、日本のマスコミが言うように、ウクライナ:善、ロシア:悪といった二元論に与したくないのである。先日も、You TubeでWWⅡ時代トレブリンカ絶滅収容所でウクライナ人がナチに協力していた事実を知った。ロシアは当然ながら、ウクライナの手も汚れているのである。

https://www.youtube.com/watch?v=iPlxKoH43nk&ab_channel=%E3%82%86%E3%81%A3%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%81%E3%81%AA%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E8%A7%A3%E8%AA%AC

今、ロシア軍が沿ドニエストル共和国という国際的な未承認国を占領するというニュースも出ている。沿ドニエストル共和国というのは、モルドバの東部、ドニエストル川とウクライナの国境の間の細長い土地(南北約200㎞、東西は広いところで20㎞、狭いところで4㎞で埼玉県くらいの面積)に位置する。国際的にはモルドバ共和国の一部である。

この地は、18世紀にはロシア帝国の国境地帯で、ロシア人やウクライナ人が多く植民した。また、19世紀の露土戦争でオスマン・トルコが割譲した地でもある。ルーマニアから見れは未回収のルーマニアでもある。ロシア革命時、モルドバはロシア連邦内の共和国として成立を宣言したが、一ヶ月もたたないうちにロシア連邦から独立,ルーマニアとの統合を決定したが、ソ連はそれを許さず、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国内のモルドバ社会主義自治共和国とした。

当時はモルドバでは、ルーマニア語の学校もあり、そもそもモルドバ語はソ連がキリル文字を強制したので、ラテン文字のルーマニア語と異なる言語のように見えるが同じで、ソ連解体後はラテン文字に戻っている。つまり、モルドバ人はルーマニア切っても切れない存在である。

ソ連崩壊後、沿ドニエストル地域のロシア系住人は危機感を覚えた。ソ連時代の自分たちは一級市民だったのが、ルーマニアの支配下に入ると落ちぶれると危惧したのである。そこで90年に2回の「国民」投票が行われ、96%、98%という圧倒的多数でモルドバからの独立を決議したのである。(このような危惧はウクライナ東部の未承認国でも同様であるようだ。)

モルドバは、沿ドニエストルもろとも91年ソ連から独立(ソ連はなし崩し的に承認)した。モルドバのGDPの40%・電力の90%の供給源を占める沿ドニエストルを手放せるわけはなく、内戦となる。沿ドニエストルに駐留していたロシア軍第14軍の支援を受け、勝利のうちに停戦、モルドバ政府はロシアの条件をのみ、ロシア・ウクライナ・沿ドニエストル合同の平和維持軍により停戦監視が行われた。この沿ドニエストル問題の背景にあるのは、民族問題というよりも体制のあり方の問題で、ルーマニアやEUに接近し欧米型の体制を志向するか、親ロシアで旧来の体制を守るかということであるようだ。なぜなら、沿ドニエストルの民族構成は、ルーマニア系=モルドバ系が31.9%、ウクライナ系が28.8%、ロシア系が30.4%であるからである。ちなみに、ここでのモルドバ語は、従来のキリル文字を使っている。

本日はここまで。参考にしたのは通勤時に読んだ「強権と不安の超大国ロシア 旧ソ連諸国から見た光と影」(廣瀬陽子:光文社新書2008年)である。

2022年5月5日木曜日

フランシーヌの場合

皐月フェスの往路、先日ちょっと紹介した「国マニア」を読んでいた。昔存在した国ということでナイジェリアのビアフラを取り上げている項目の中に、「フランシーヌの場合」という昔はやった歌のことが出ていた。このフランシーヌは、ベトナム戦争とビアフラ問題に講義して焼身自殺をしたらしい。

調べてみた。1,969年3月30日の朝、パリでフランシーヌ・ルコントさんという30歳の女性がシンナーをかぶり焼身自殺した。AFP電により日本に伝えられ、それが歌になった。プロテスト・ソングの1つである。私が聞いていたのは新谷のり子のものである。

https://www.youtube.com/watch?v=fIYFbDQPNJg&ab_channel=GSiloveyou

♪フランシーヌの場合はあまりにもおばかさん フランシーヌも場合はあまりにもさびしい

 3月30日の日曜日、パリのの朝に燃えた命ひとつ フランシーヌ

♪ホントのことを言ったらオリコウになれない。ホントのことを言ったらあまりにも悲しい

 3月30日の日曜日、パリの朝に燃えた命ひとつ フランシーヌ

♪ひとりぼっちの世界に残された言葉が 一人ぼっちの世界にいつまでもささやく

 3月30日の日曜日、パリの朝に燃えた命ひとつ フランシーヌ

♪フランスーヌの場合はわたしもにもわかるわ フランシーヌも場合はあまりにもさびしい。 

 3月30日の日曜日、パリの朝に燃えた命ひとつ フランシーヌ

今や、SNSの発達によって、「ひとりぼっちの世界に残された言葉が 一人ぼっちの世界にいつまでもささやく」という孤独感は払拭されているように私は思う。だが、「ホントのことを言ったらオリコウになれない。ホントのことを言ったらあまりにも悲しい」というのは、今も生きているように思うのだ。

…このコ●ナ禍と●●●●接種も、前回の●大統領選挙も、●ィグル問題も●海のロックダウンも、そして●クライナ戦争も…。

2022年5月4日水曜日

皐月フェスに行ってきた。

学園の「皐月フェス」が郷の音ホールで行われる日だった。メインとなるのは、吹奏楽部の第50回定期演奏会で、3年生の生徒からチラシを渡されて是非と言われたので、最初迷っていたのだが、行くことにした。生徒との約束を守るのが教師としての私の心情である。

16:30開始の演奏会まで、鉄道模型部や写真部、美術部、物理部などの展示も見て回った。写真部は意外に良い作品が多く、コメントが作品を引き立てていたし、物理部のサッカーをやるロボットはすごかった。ロボコンで世界大会に出場したそうだ。理系の優秀な生徒を学園は大いに育てているようだ。

少し時間があったので、軽音楽部のコンサートも覗いてみた。ちょうど3年生だけのバンドで、旨い。ドラムスは女子生徒だった。You Tubeでディープ・パープルに合わせてドラムを叩く子がいるが、彼女を彷彿とさせるくらい旨い。驚いた。

いよいよ大ホールでの吹奏楽部。第1部は現役生だけ、第2部はOB/OGも交えての演奏だった。どの曲も素晴らしいものだった。第1部では、3年生がソロで演奏する場面もあり、ピッコロ、クラ、ペット、ボーンなど緊張の中見事に演奏していた。比較的クラシックは少なく、アニメや映画、そして嵐の曲など楽しめるジャズっぽい曲が多かった。やっぱりホルンやオーボエ、サックスもソプラノ・アルト・テナー・バリトンに分かれていたりすると音域が違う。第2部では、これにファゴットやハープ、ピアノも入ってさらに音域と迫力が増した。どの曲も良かったのだが、千と千尋の神隠しの曲が最高に良かったと思う。パーカッションが効いていたし、ユーフォやテューバ、コントラバスといった低音組も大いに活躍していた。久しぶりに生の大迫力の演奏を満喫できたのだった。…ほんと行ってよかったと思う。

You Tubeのシミュレーション

You Tube を見ていて、現実にはありえないけど面白いチャンネルがある。私が好きなのはスポーツのシミュレーション。サッカーでは、W杯日本代表の最強チームを作ってベスト16を超えれるかというのがあった。ウイイレというアプリゲームで設定されているらしい。かなりリアルである。

https://www.youtube.com/watchv=Xf9qEGcJkOc&ab_channel=%E3%82%B5%E3%82%AB%E3%82%B2%E3%83%BC%E9%83%A8

キング・カズが11番をつけて選抜されているのが素晴らしい。FWは、岡崎、柳沢、高原、大迫。(私も岡崎の泥臭さは大いに買うところ。)MFは、10番をつけるのは中村俊輔。中田ヒデ、本田と揃ったら豪華絢爛。ここに遠藤保仁も嬉しい。この4人だけでも凄いが、守りの要に長谷部もはずせない。さらに香川、三都主、稲本…。(個人的には代表ではあまり活躍できなかったけれど、香川が好き。)DFでは、長友は当然。中澤・闘莉王・内田・駒野・酒井、そして吉田麻也。GKは川口が1番をつけ、楢崎と川島。…という布陣。こうしてみると、日本はFWよりMFの層が厚い。

https://www.youtube.com/watch?v=rMpG7bkxSXE&t=14
3s&ab_channel=%E3%81%BE%E3
%81%97%E3%82%85%E3%82%8B%E3%82%80
こういうありえない日本代表が戦うというのがいい。野球では、9人全員がイチローVS大谷翔平なんていうのがあって、実に楽しい。イチローも高校時代は投手だし、凄い戦いになっていく。こちらはパワプロというアプリで作られている。

2022年5月3日火曜日

14歳からの天皇と皇室入門

学園の図書館から借りた本の中で、通勤時間には読みにくい大判の本がある。「図解でわかる14歳からの天皇と皇室入門」という本である。これまで、かなり多くの天皇関係の本を読んできたが、意外に知らないことが書かれていたりする。ちょうど、政治経済の授業で、大日本帝国憲法と日本国憲法の話をするので、教材研究のために借りてみたのだが、なかなか面白い。

たとえば、三種の神器。その存在は十分認識していたのだが、八咫鏡(やたのかがみ):天照大神が天の岩戸に隠れた時、すきまからこれを見せて出てきてもらったという由来があり、伊勢神宮の御神体。草薙剣(くさなぎのつるぎ):須佐男命(すさのおのみこと)が退治したヤマタノオロチの尾から出てきたという由来の剣で、第12代景行天皇の皇子日本武尊(やまとたける)が、東国の野原で的に囲まれ火に襲われたときに草を薙ぎ払ったという由来もある。名古屋・熱田神宮に祀られている。八尺瓊勾玉(やさかにのまがだま):天照大神が天の岩戸隠れの時作られたという由来の装身具。
皇居の宮中三殿の賢所(かしこどころ)に八咫鏡のレプリカ(形代:かたしろ)がおかれている。皇居の御所、天皇の寝室の横にある剣璽(けんじ)の間に、草薙剣のレプリカと、八尺瓊勾玉(これはレプリカではない)が置かれている。

元旦の四方拝について、何度か授業でも話したのだが、詳細は次のとおり。宮中三段の西側・皇霊殿のさらに西にある神嘉殿(しんかでん)で、朝5時から、天皇だけに切ることを許された黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)という衣冠束帯(いかんそくたい)で臨まれる。干支を北斗七星に配置した属星から拝礼されるとか。私的行為としての宮中祭祀であるが、そもそも皇族を宮家というが、宮は神をまつるという意味である。この本では、イギリスの国王の戴冠式=聖別式(神によって特別の人として選ばれる)がウェストミンスター寺院で行われること、アメリカ大統領の宣誓式で聖書に手を置き、祈りの言葉を述べるといった世界の例を上げている。これは、「14歳からの」というスタンスとして、右でもなく左でもなく、すこぶる妥当だと思った次第。

2022年5月2日月曜日

GM連休の合間にて。

GWの連休の合間の一日である。私などは、休みより、学校へ行く方が好ましい。理由は長距離通勤もさることながら、枚方の自宅から駅までの下り・上り、学園の門から高校校舎までの上り・下りで十分に歩けることである。歩くと、体の調子もいい。血糖値も下がるわけだ。何より、授業が楽しい。今日は4コマあったのだが、楽しくまた高度な授業ができた。

今日は、少しだけ時間があったので、図書館に寄ってきた。先日借りた本を返し、また4冊ほど借りてきた。と、いうのも長距離通勤でどんどん本を読み進めているという背景があるからである。文庫本なら2日で1冊読んでしまう。(笑)今日は、自宅から、息子が買ったらしい地理系の文庫本を持っていたのだが、面白いので3/5くらい読んでしまった。この本の書評もいずれ書こうと思う。

どうも最近のブログでは一気に書評のエントリーが増えた。PBTや三崎高校では私的な広報活動という側面もあったのだが、学園のことを書くと、いろいろ不都合があるかもしれないので自粛しているのである。書きたいことはいっぱいあるのだが…。ご理解いただきたいと思う次第。

2022年5月1日日曜日

菊地寛 大衆明治史を読む5

伊藤博文は、吉田松陰から周旋の才ありと評されたが、日露戦争が開戦となった直後、金子堅太郎を呼び、すぐにアメリカに渡航することを求めたという。すでに講和の事を考えていたわけだ。イギリスは同盟国であるのでダメ、フランスはロシアの同盟国であるからダメ、ドイツは皇帝がロシアをそそのかしたらしい、となれば頼むところはアメリカになる。セオドア・ルーズベルトとハーバードの同窓の金子に予備交渉を頼み込むのである。このあたりの周旋の才は尋常ではない。日露戦争の開戦には伊藤は極めて消極的であったことが知られている。その立場から打ったこの手はあたった。

「大衆明治史」の下巻は、日露戦争について詳細に記されている。日清戦争の陸軍の大功労者は川上操六であるが、日露戦争においては児玉源太郎である。

…この児玉源太郎について、菊地寛も司馬遼太郎と同様べた褒めである。たしかに魅力的な人物である。私は児玉のことを描いた文庫本を読んだこともあるが、長州閥とは言え支藩出身で出世は遅かった。西南戦争で熊本城の天守閣を戦略上燃やしたのは児玉ではないかとも言われている。戦略家として一流の行動力である。日本陸軍を育てたドイツの軍事顧問モルトケも児玉を絶賛している。一方で、台湾総督としてうまくやっている。この前任者が乃木希典で、乃木は総督としては無能だったようだ。(司馬遼の乃木の評価は極めて低い。)菊地寛はそこまで低くはない。児玉は、乃木の軍人としての姿勢をリスペクトしていたとしている。この辺は微妙だが、児玉は常に乃木をかばっている。戊辰戦争以来の友情である。常に一歩先に出世していたが、日露戦争のときには逆転している。

…桂太郎のように、児玉が総理になる可能性は十分にあったと思うが、彼の人生はこの日露戦争で燃え尽きてしまったようだ。2年後に死去している。明治の英傑の第二期と人物だといえるだろう。

…詳細な日露戦争の内容につては、エントリーする気はない。この本がGHQに発禁された理由は、特に下巻の内容だと思われる。連合国側に最後についたソ連=ロシアへの配慮であろう。もうひとつは、ハリマン協定を小村寿太郎が破棄するようポーツマスから帰国後動いたことの記述にありそうだ。このハリマン協定の件は、少し自分で調べてみたい。