2018年11月6日火曜日

ディーワーリーの休日

今年のMV・唯一の飾り
ヒンドゥー教の新年で休日である。昨夜は、近隣で花火がバンバン上がっていたのだが、このところの疲れがひどくて、夢うつつで、花火の音を聞いていた。愛機G1Xm2には、花火モードという機能があって、綺麗に撮れるはずなのだが、それどころか、全く目も開けられなかった。

昨日は、銀行に行くついでにMVのメガモールの飾りも見てきたが、1カ所だけで今年のディーワーリーは盛り上がりに欠けるなあと思っていた。昨年・一昨年と、インド系のお祭りでは花火はそんなに上がらなかったし、マレーシアに於けるインド系の周辺化の本を読んだ直後でもあったし、花火を撮影しようなどという発想は起こらなかったのだ。

しかし、昨晩は中国系の旧正月かと思わせるほどの爆発音だった。インド系の人々は、ちょっと景気がいいのかもしれない。予想を裏切られる事が多い、まさに不思議のマレーシアである。

2018年11月5日月曜日

PBTの話(72) サクラサク2

https://telemail.jp/shing
aku/pc/shingaku/daiga
ku/detail.php?cd[1000
1707]=10001707&active=2
我がクラスの世話役・A君が、九州のR大学に、合格した。彼のためにあるような大学だし、EJUの結果やTOFLEの結果を鑑みても、合格すると確信していたけれど、授業料も大幅な免除率となり、実にメデタイ。

先日、スカイプ面接の前には、様々な話をした。彼は、国際関係をやって、特に多文化理解進めるような仕事を将来考えていた。そうなると、ユネスコかなあ、という話になり、ユネスコスクールから、ESD(持続可能な開発のための教育)の推進の話になったりした。

スカイプ面接では、予定時間を大幅に過ぎて、面接官と意気投合したらしい。彼は、私の授業で、国境なき医師団のL君の話を聞き、その志に感銘したようで、中央アフリカに行ってから連絡有りますか?と聞いてくる。私は、それだけで嬉しい。地球市民を育てるというのが、私のライフワークであるからだ。いずれ…。

2018年11月4日日曜日

ブミプトラ政策の20年を読む3

ムルデカスタジアム近くに建設中(2019年完成予定)のPNB118ビル
https://blogs.yahoo.co.jp/harimau2017/40847604.html
「マレーシアの社会再編と種族問題ーブミプトラ政策20年の帰結ー」堀井論文のエントリーの続きである。間接的なブミプトラ政策から、国家が直接参加しての資本蓄積を進める話である。…こういう詳細なレポートは実に勉強になる。

まず、公企業を政府は次々に創設していく。1.官公庁が行う官公庁企業。2.特別の法律によって設立される法定公社・公団、3.会社法に基づいて設立される会社公企業ないし公有企業の3種類である。最も多いパターンは、2の法定会社の子会社として3の公有企業を多数設立するというものだった。(全貌はあきらかではないが、900にも達すると言われている。)

マレーシアの予算支出は、経常支出と開発支出の2種に別れている。開発支出の中の「公共部門からの民間投資資金調達、その他の移転」という項目から、上記の2と3へ資金調達が支出されている。こうした公企業は、予算規制外機関・企業、非財政部門公企業などと名を変えていく。さて、最初に錫鉱業や巨大農園経営企業などのイギリス系の企業買収が行われた。ロンドン登記をマレーシア登記に変え、重役や取締役の過半数をブミプトラで占めていったのである。さらに、中華系の銀行・金融資本も同様で、本書の書かれた1999年時点で、70%が国家資本に掌握されることになった。

次に、政府は、第二段階として、一般ブミプトラ大衆に、その株を委譲することに着手する。特定の高い地位にある者や富裕層に集中しないよう、またその株が非ブミプトラに転売されないように、受益証券信託ユニット方式をとる。具体的には、YPB(ブミプトラ投資基金:政府の投資戦略の立案・決定機関)のもとに、YPB100%出資のPNB(国営持ち株会社)が作られた。このPNBが優良企業の株式を購入し、実際の投資活動を行う。PNBで購入された株式はASN(PNB出資100%の国営投資信託会社)が、信託ユニット方式でブミプトラ大衆に再分配するという仕組みである。

株式委譲の再分配も具体的に記されている。払込資本・RM25万以上・政府51%保有の会社の具体例では、保有株の70%を原価または額面価でPNBを通じてANSに移される。発行株の5%は当該会社の経営者・従業員(5年以上勤務が条件)に、給料に従い、5000~1万ユニット(1ユニットはRM10)を民族に関わらず分配。残り25%は、ブミプトラによって100%所有している団体・協同組合および会社に分配される。この内の50%はイスラム巡礼積立・運営基金や軍人積立基金および連邦・州レベルの団体に分配され、さらに40%が警官や軍隊、残り10%は100%ブミプトラ所有の会社に割り当てられる。

このような方法で行われた再分配。本書にある1984年現在のPNBの保有株の再分配の状況は、やはりというべきか、スルタン・貴族・および政治家(全投資者の0.1%)の投資額は0.7%、管理職および上級技術者(同0.9%)の投資額は9.0%など、社会の上層部にある人々への配分が多い。労働者および非事務員(同17.1%)の投資額は9.2%、農民(同17.3%)の投資額は7.8%となっている。ブミプトラ全体としては、資本所有比率が17.8%にまで増加したが、再分配にはマレー系内の新たな階級的対立を産む可能性があると著者は指摘している。

なお、日本同様、公企業は民間企業に比べて経営不振になりやすい。マレーシアでも同じで、民営化が進められる。その際も又、ブミプトラ関連の団体に資本が振り分けられたようだ。

こうして見ると、ブミプトラ政策はかなり強烈で強引な印象を与えるが、マレーシアの歴史的な視点、すなわちイギリスの植民地政策に起因する民族間の経済格差を十分念頭に置いて評価されるべきだというのが、この論の結びの言葉である。私も同感である。

ブミプトラ政策の20年を読む2

https://loanstreet.com.my/learning-centre/bumi-land-jargons-explained
「マレーシアの社会再編と種族問題ーブミプトラ政策20年の帰結ー」堀井論文のつづきである。では、実際にブミプトラ政策は、どのように実行されたのか。1965年・68年に開催されたブミプトラ経済会議で、1.保護政策、2.株式取得制度、3.援助政策が、計画・実施されている。

1.保護政策では、新しいタクシー営業の許可証の発行は、各州のマレー系人口比率に達するまでマレー人にのみ発行することになった。トラックとローリー車、バスの営業許可なども、マレー系を保護していく。資料を分析すると、タクシーはうまくいったようだが、他はそれほどの効果は出なかったようだ。また、国家土地会議(1958年)で、錫採掘用地でマレー系を保護しようとしたようだが、錫探査・採掘事業は資本装備率が高く、うまくいかなかったようだ。木材の伐採部門では、非マレー人に又貸しされたり、製材所の経営はアリババ経営(マレー人がトップだが実際は中華系が経営)になり、そのもくろみは崩れたようだ。貿易・商業部門は、イギリス資本が外国貿易、海運業、保険業を支配しており、中華系資本は卸売業と小売業で、イギリス資本の下請的機能を果たし、マレー系の参入は難しい状態だった。製造業も、この時期は政府の施策は、外資を取り込むための社会資本の充実や税制上の優遇に向けられており、マレー系保護は図られていない。

2.株取得政策では、1965年に商工省は創始産業許可を認め、税制の優遇措置を受けた企業に対し、マレー系の資本所有率を10%割り当てることを義務づけている。しかしながら、その成果は不明である。マレー系役員の数は増加している。政府から契約を取ったり、許認可をとるための便宜として雇用されたという指摘もある。

3.援助政策では、貸付金制度の充実、経営者育成のための訓練と指導、商工業用地の提供などが挙げられる。

しかしながら、こうした間接的な保護・育成策では格差は広がりこそすれ縮小しないという批判がしだいに支配的になってくる。植民地的な自由経済構造が根強く残っている中で。自由競争原理にゆだねていてはその成功は望めないという意見が、マレー系の中では多くなっていく。そこに、5.13の事件が起こるのである。

ブミプトラ政策の20年を読む

「マレーシアの社会再編と種族問題ーブミプトラ政策20年の帰結ー」(堀井健三編/アジア経済研究所・1989年)を読んでいる。本書は、8つの研究論文からなっている。

…2年半、マレーシアで社会科学を教えていて、意外な発見をすることがある。EJUのシラバスには、日本の政治分野が含まれており、憲法や政治機構などを教えるのだが、マレーシアも議院内閣制なので対比して教えることも多い。しかし、その相違に戸惑う場面もあった。最も大きな相違は、言論の自由の問題である。日本では、人権上、公共の福祉として制限されるのが妥当だと思われるヘイトスピーチへの規制はあると思うが、原則的に自由である。マレーシアでは、いくつかの問題に関して、公共の場で討議することに制限が加えられている。また、レファレンダム(住民投票)というような概念はないようだ。本書は、このことに少し解答を与えてくれた。

第1章の堀井論文には、ブミプトラ政策の歴史的政策と国家資本の役割と題されていて、憲法にまつわる話が書かれていた。
イギリスから独立を勝ち取るにあたって、三民族の政治的平等を強く求められたマレー系のラーマン氏はじめ独立の話合いを進めた人々は、大枠それを飲み込んだ。ただし、憲法第153条には、「マレー人及びサバ、サラワク原住民に対する公務員、許認可等に関する割り当ての留保」というのがあって、後のブミプトラ政策の依処となるような条文を挿入している。

この条文の第1項には、国王は(このマレー系住民の)権益を守る責任を有するある。すなわち、堀井氏は形式論理的にマレー人の特権が三権分立によって成立している議会制民主主義制度の法的枠組みを超える存在であるとを意味すると述べている。なるほど…。
後、1971年の憲法改正時に、この第153条の改正はスルタン会議の承認が必要であるとなった。これについても堀井氏は、マレー人の特権の否定は、事実上スルタン制の否定を前提としなければならないことを意味していると述べている。マレー人の特権とスルタン制は法制度としては不可分であるというわけだ。

1971年の憲法改正は、5.13事件を受けて決議された。ここでは、憲法第10条(表現の自由)が改正され、スルタンの権威と地位、マレー語の国語としての地位、マレー人の特権、市民権という4つの問題が、「敏感問題」として、議会と国民の批判の対象から除外され、公開での議論が禁止されたわけだ。

…私は国民国家(すなわち三民族が融和している)マレーシアとしての憲法と、各州でファトワが出されるイスラム法(シャリーア)によるイスラム教徒の法が並立しているのだろうと思っていたが、憲法自体もマレー系優位であったことを改めて認識した次第。もちろん、その是非を論じるつもりはないが、大いに興味をそそられたのであった。

2018年11月3日土曜日

在馬インド人の視点を探る 8

http://www.murc.jp/thinktank/economy/analysis/research/report_170907.pdf
「多民族国家マレーシアの国民統合-インド人の周辺化問題」の書評エントリー、いよいよ完結編である。5.13事件以降、マレーシアは、ブミプトラ政策(NEP:新経済政策)を推進する。

MICからは「隠された不公平の20年間」と表され、インド系の人々は、中華系の人々と非ブミプトラとして一括りにされた。その結果、インド系だけが、社会経済的にはわりをくったと見れる。雇用機会が減り、特に専門・技術職や行政管理職などの分野で大きな喪失をしている。また、インド人の資本占有率も1995年の資料では1.5%。(マレー系20.6%/中華系51.7%/外国人27.7%)と、人口比に遠く及ばない。エステートのインド人は、貧困に喘ぎ、都市でスクオッター(不法占拠者住宅)化している。その結果、犯罪率だけは上昇しており、殺人件数では1/3がインド系であると言われている。本書が書かれた時点では、まさに、エステートから都市にやってきたインド系の人々がマレーシア社会の底辺で蠢いているのが推測される。

…さて、その後はどうなのかが気になる。今日の画像は、2017年の三菱UFJ銀行のシンクタンクの資料である。本書で示された時点(1990年)は、グラフの左から2番目に近い。その後、インド系は少し持ち直したものの、2009年(最後のグラフ)では、指数で示されているように、ブミプトラとほぼ並んでいるわけだ。

…本書は、このグラフの推移の原因を解説してくれている。私の周囲にいるインド系の人々は、KLで比較的裕福な人々である。またインド系が多かったエステートでの労働は、あまり目にする機会もないので実感できない。要するに、まだまだわからない、のである。それが重要である気がする。まだまだ、定説を学んだに過ぎない。

…最後に、著者は、アジアを中心とした開発教育の大先輩であり、早稲田大学の社会科学総合学術院長である。国際関係論、国際協力論、平和構築論の専門家である。私はアフリカ関係の先生方については比較的詳しく知っているつもりだが、アジア系の山田満先生の著書に触れたことも大きな収穫だと思う。

2018年11月2日金曜日

現時点で韓国の問題を考える。

https://www.youtube.com/watch?v=vt7skicVDAo
韓国の大法院の判決を受けて、日本国内では様々な議論が沸騰しているようだ。日本のナショナリズムに火が付いた、というよりは、韓国のあまりに感情的で横暴な姿勢に対する当然の反応であるように、政治的にはど真ん中の私も思う。

おそらくだが、このまま韓国政府が国民の反日感情のままに動いたり、無策のままならば、国際司法裁判所への提訴はせざるをえないだろうと思う。当然、韓国は負けるに決まっているからこの国際的な司法措置には乗ってこないだろう。第三者協議もまた同じ。となると、次に当然韓国への投資の減少(これは市場の原理で嫌韓的な動きが拡がるのは当然だろう)、企業の撤退(日韓合意が破棄されたのと等しいので、あらゆる訴訟に備え、それが賢明と判断される可能性が高い。経済統計的には日本の損失より韓国の損失の方が大きい。)などは十分ありえるだろうし、日本への渡航に対して制限(ビザの発給に切り替えると思われる)も強化される可能性がある。粛々と日本政府は、そういうカタチの対応をせざるをえないだろうと思う。

ただ、それでいいのかというと、地政学的なリスクもある。佐藤優氏の鋭い分析のように,
日本をとりまく国際情勢(対北朝鮮・中国とロシア、そしてアメリカ)を見極めながらということになるだろう。自己保身で動くポピュリストの政治家に日本が扇動されることには、私は大反対だ。
https://www.youtube.com/watch?v=saPLlTMVhTU

再度確認しておきたいが、私は地球市民を育てることをライフワークにしている教師である。長く大阪で教鞭をとっていたので、在日韓国・朝鮮人の教え子もたくさんいる。また古い友人もいる。私は、在日の人々へのヘイトな動きに対して、今一番危惧を抱いている。韓国=在日の人々ではない。日本人の知性を私は信じている。