2012年9月13日木曜日

『黒ひげ危機一髪』をつくる Ⅲ

毎晩7時過ぎまで、クラスの生徒が残って文化祭準備をしている。短縮授業ではなくなって、放課後にはヘトヘトなのだが、結局最後まで付き合うことになる。(笑)作業の合間に、生徒に声をかけるのも楽しい。さてさて、進捗状況を報告。

前回のエントリー(10日)では骨組みのテストが終了した時点だった。今日の時点ではだいぶ完成に近づいてきた。みんなでワイワイやるものだから、私から見たら労働生産性が低い。(笑)まあそれも大事なことなので、見守っているところ。

枠組み完成→新聞紙をはる→段ボール貼り付け→ペンキ塗りとだんだんと完成に近づいている。

2012年9月12日水曜日

ソマリアのシャバブの記事

モーニングで朝日新聞を読んでいたら、久しぶりにソマリアのことが載っていた。21年ぶりに大学教員のハサン・マハムード氏が新大統領に選出されたという。とはいえ、内戦状態は続いている。今日の記事は、この話よりも、AU(アフリカ連合)軍と戦うアルカイダ系のイスラム武装組織シャバブの元戦闘員のインタビューが中心だった。

「ソマリアに政治的規律を与えてくれる。」と思い、シャバブに参加したしたという農民の話である。しかし、実態は醜悪で、暴力による規律以外の何物ではなかったという。シャバブは10代前半から20代の若者に自爆テロを推奨しているらしい。「敵を一人殺せば天国に行ける。親族70人の安全な暮らしが保障される」といううたい文句らしい。

「イスラム法がソマリアを救う」と思い参加した農民の話。だが、イスラム法に無関係の振舞いを度々目にした。アフガンやイラクからきた指揮官や戦闘員もたくさんいたが「市民にひどい扱いをしていた。見込み違いだった。」

少年兵の話も書かれていた。学校に自動小銃を持った15人の男たちがやってきて連れて行かれた。「シャバブを信じ込むか、黙るしかなかった。」3ヶ月後、$400を母親が寄付することで解放されたという。

シャバブに対して厳しい批判を向けている杉山正氏の署名記事である。この記事の信憑性をあえて疑うつもりはないが、暗澹たる気持ちにさせる記事であった。今日もリビアの米国領事館が襲われ、大使が殺害されたらしい。

イスラエルでも感じたことだが、一神教的な正義には、なかなか妥協点を見いだせない。融通無碍な日本製の価値観、悪評も多いが、時として平和学的な価値を見出してしまうのであった。

2012年9月11日火曜日

「捨て石」という生き方

自民党総裁の谷垣氏が総裁選出馬を取りやめたというニュースが流れた。野党に転落した自民党の総裁として、「捨て石になる」と宣言し、火中の栗を拾った谷垣氏であった。私自身は、自民党の支持者でもなんでもないが、「捨て石」という言葉には「美学」を感じる。

谷垣氏は、今回総裁選に立候補を表明した。総選挙があれば首相の目もあるわけだ。こういう時は、どっと総裁選に出馬する人が出てくる。谷垣氏では、自民党の選挙の顔としては人気不足だという理由で、結局総裁選出馬を撤回することになった。政治の世界は、所詮権力ゲームであるから、この流れは妥当な話なのだろう。谷垣氏はホントに「捨て石」になったわけだ。さてさて、「捨て石になる」と宣言した谷垣氏にとっては「本望」なのだろうか。あるいは、「捨て石になる」と言ったのは、単なる「ええかっこ」だったのだろうか。

政治の世界に限らず、「捨て石」になるというのは、凄い覚悟が必要だと思うのである。『葉隠』ではないが、「捨て石」になるということは、生き方というよりは、死に方と言ったほうがいいと私は思う。

いかに死ぬか。それはいかに生きるかということでもある。50歳を過ぎて、いかに美しく教師をやめるか、ということを考えるようになった。自分を取り巻く環境の問題ではなく、自分の気力・知力・体力上の問題で、私の思うような授業や生徒指導をが出来なくなったら、教師をやめようと最近考えるようになった。(今現在は、かなり体力的にきついことは事実だが、思うような授業も生徒指導も出来ている。今日も19:00過ぎまで文化祭で生徒と盛り上がっていた。…ご心配なく。)

「理想に生きることをやめた時青春は終わる」というのは、私の座右の銘だが、私には朱夏はない。白秋も玄冬もない。そんなことを考えていたのだった。…煙草、やめようかな。

2012年9月10日月曜日

『黒ひげ危機一髪』をつくる Ⅱ

黒ひげ危機一髪の枠組みと頭部
この土日は、血中酸素濃度のこともあって、クラスの生徒が文化祭準備しているのだが、決意して静養していた。(昨日の検査では92/100だった。94まで回復したが、かなりヤバイ。)でもやっぱり気になるので、朝一番に教室に行ってみた。さてさて、どれくらい進んでいるのだろうか。

「黒ひげ危機一髪」は、先週から机のバネ機能を囲むように、木の枠組みが出来ていた。これにベニヤ板の代りに段ボールを重ねたモノで上部、中央部の円形の枠組みがプラスされていた。バネ機能はほぼ完成しており、「黒ひげ」の頭部となる発砲スチロールがなんとなく削られていた。(笑)

まあ、私の期待していた70%くらいの仕事は進んでいるようだ。私がなにより心配しているのは、新聞紙を糊で固めて作った曲線状の樽の枠組みがうまく機能するかであった。これはまだ組まれていない。うーん。

新聞紙を糊で固めた曲線状の樽の枠組み
こういうイベントでは、マネジメントするリーダーが絶対必要だ。工程表や、様々なヒントを与えていたのだが、リーダーが育っていないようだ。うーん。私が全面的に指示すれば、どどどっと動くのだろうが、出来るだけ自主的にやらせたい。今日の放課後もギリギリまで待っていたのだが、教室を覗いてみると、みんな困っていた。中央部の円形の枠組みを設置できたのだが、どうもフニャーとしている。このままでは、曲線状の枠組みがつけられない。「どうしたらいいですかねぇ。」仕方なく、角材で補強する指示をした。男子がはりきって、角材を切り、金槌をたたく。指示すればやはり、どどっと動くのである。(笑)たるみは治った。さあ、合わせてみよう。

ついに樽らしくなった枠組みを後ろに運ぶ
ところが、どうも長さが合わない。すると、最もリーダーシップを取っている女子生徒が、「自由に長さを調節するように作りましたよぉ。」糊で固めた曲線上の新聞紙の上下には段ボールが付けられていた。ハサミでチョキチョキ。おお。ぴったり。下校時刻寸前、何本か取り付けることができた。「やったー。樽ですよ、樽。」これで明日には骨格は完成できるだろう。

背景に使うロール状の50mの模造紙の注文も、事務所経由で朝のうちに済ませておいた。まだまだ山あり谷ありだろうが、午後7時前にはクラブを終えた生徒も帰ってきて25人くらいになっていた。未完成の『黒ひげ危機一髪』の骨組みを授業の邪魔にならないように、後ろに運ぶ。歓声が起こった。こういう場面に接すると、担任はホントいいなあと思うのである。

2012年9月9日日曜日

国際航空宇宙展に行くべきか?

金曜日だったか、モーニングで日経を読んでいたら全ページ広告が目にとまった。名古屋で「国際航空宇宙展」というのが10月中旬に開催されるらしい。いわゆる国際見本市的なイベントが中心のようだ。愛知県は日本の航空産業(国防産業も含めて)の中心地だ。ふーん、なるほどと良く読んでみると、第二会場である中部国際空港で、航空機の展示もあるらしい。ヒコーキ大好き人間としては、ちょっと、行ってみたいなと思ったのだった。妻にとりあえずメールしてみた。

家に帰ると、妻が盛り上げっていた。WEBで調べると、最終日にブルーインパルスが来るらしいのだ。妻は、昨年の岐阜基地祭に行って以来(昨年11月27日付ブログ参照)ブルーインパルスの大ファンになってしまった。「行こ、行こ。」とうるさい。(笑)問題は、何時からのフライトなのか、WEBでは全く不明なことだ。展示される航空機も、民間機が多く、B787は予定はされているが、今のところ未定らしい。うーん。どうしようか。日帰りで行くことになるだろうし、どうも日程のイメージがつかめない。

妻と冷静に語り合ったところ、とりあえず静観してみることになった。でもあきらめたわけではない。ブルーインパルスの、素晴らしいアクロバット、そして爆音と航空燃料の匂い。うーん、たまらん。

2012年9月8日土曜日

劇場のイドラと時任三郎

フランシス・ベーコン
1年生の現代社会では、今近代ヨーロッパ哲学史をやっている。早いクラスは、すでにデカルトの第一証明(有名な「我思う故に我あり」の方法的懐疑)、第二証明(神の存在証明)、第三証明(物体の存在証明)をやってる。高校の教科書では、第一証明で終わっている場合が多い。理由は簡単で、あとは難解だからだ。しかし、コギト(思惟する自我)と物体の存在という二元論を理解しなければ、スピノザやライプニッツに繋がらない。大陸合理論を語らないと、カントの先天的認識形式に繋がらないし、形而上学の復活をめざした道徳形而上学に繋がらない。で、物体の存在証明に不可欠な神の存在証明を避けるわけにはいかないわけだ。

うわー、難しくなった。(笑)でも倫理の教え子なら、なんとなく思い出すはず。(笑)大学へ行ってから役に立つ哲学史である。あまりセンター試験にはでない。(笑)でも必要不可欠という信念で30年以上教えている。

で、今日はそのデカルトの前の話。イギリス経験論のベーコンの話である。ベーコンは、面白い。実験や観察で帰納法的な認識を説いた最初の人物である。ベーコンにはセンター試験にも良く出る4つのイドラ論というのがある。この中でも、スコラ哲学をボロクソに批判した『劇場のイドラ』というのがある。「ウソの話を本当のように見せる」というイドラ(偏見)を破すという話だ。私は、いつも、このイドラを説明する時には、時任三郎の話を出す。

昔々、私が結婚した頃だから30年以上も前の話になる。妻と、なんとなくTVドラマを見ていた時のことだ。学園ドラマだった。学制服姿の背の高い男が出てきた。「うん?」妻に声をかけた。「なあ、こいつ、時任に似てる。」「え?あ、ホントや。」「声も時任そっくりやんけ。」(私と妻は高校時代3年間同じクラスの同窓生なのである。)最後に出演者のテロップが流れて、「時任三郎」とあったのだ。「えー、あいつ俳優になったんや。」と、2人で大騒ぎしたのだった。実は、俳優の時任三郎氏は私の高校時代、隣のクラスにいた。生徒会副会長で、私は文化祭実行委員長。いっしょに仮設ステージの上で前夜祭の司会をした仲である。時任三郎氏は、上半身裸で、16弦ギターを弾いていた。(ホントの話)体育祭の時は、木材工芸(現インテリアデザイン)科の応援団で、私も図案科の応援団をしていた。王将のギョーザを食べに行ったり、生徒会室で夜遅くまで語り合った仲なのである。彼が大阪芸大に進学後は疎遠になっていた。数年後、TVで急に再会したのだった。

当時、私はもう高校教師だった。同じ歳の彼が高校生の役をしていたわけだ。俳優という仕事はまさに、ウソを本当のように見せる仕事である。「劇場」のイドラとは、ベーコンもうまいことを言うと思っている。

ところで、昔は私が時任三郎の高校時代の友人だと生徒は知ると、大いに盛り上がったものだ。彼も、キャンディーズのスーちゃんや宮崎美子といった私の大好きな女性タレントと共演したりして腹立たしかったが、今年は「Drコト-でかしこい子供のおとうちゃんの漁師役だった。」と紹介するようになった。それなりに歳をとったよなあ、お互い。それが、ちょっと悲しい。(笑)

2012年9月7日金曜日

東アフリカで住友化学が健闘

ナクル湖国立公園のロッジにて
住友化学と言えば、マラリア予防蚊帳を現地生産していることで有名だ。何度洗濯しても5年もつという。ただ、少し価格が高くなるので普及が進まず、なかなかマラリア対策に役だっていないという話だった。それが、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダといった東アフリカで、一般小売販売を開始、ケニアでは25%のシェアを得るようになったらしい。都市部のアフリカ2(中間所得層)の需要が伸びているようだ。
http://www.nsjournal.jp/news/news_detail.php?id=310549

ようやく住友化学のBOPビジネスの成果が出てきたわけで、アフリカ大好き人間としては喜ばしいニュースである。私は、アフリカ滞在といっても、ごく短い期間だったのでマラリアにかかったことはない。だが、ケニアのナクル湖国立公園で、蚊にはびびったことがある。JICAが取ってくれたホテルはロッジ形式になっていた。男性教員で反省会を開いた後、日本の蚊取り線香を静岡のM先生にもらい、煙をまきちらしながら自分のロッジに戻ったのだった。そのまま蚊取り線香をバンバン焚いて、普通の蚊帳のあるベッドで眠りに着いたのだが、朝起きてみると、おびただしい数の蚊が落ちていた。日本の蚊取り線香の威力に驚嘆したが、同時にケニアの蚊の多さにも驚いた。もちろん国立公園内のロッジなので、朝窓を開けるとシマウマがこっちを見ていたりする凄い環境だったのだが…。

そんなケニアである。住友化学のマラリア予防蚊帳の需要がないわけがない。普通の蚊帳の5倍の価格といえば高く感じるが、実際は$10~$15程度。アフリカ1(高所得層)は当然だが、アフリカ2(中所得層)にも手が届く価格設定になっている。東アフリカの所得全体が上がればおおいにアフリカ3(低所得層)にも普及するだろうし、2015年を前にして、ミレニアム開発目標のひとつが大きく前進すると思われる。マラリアは、アフリカにとって大きな脅威なのである。

ナクル湖国立公園では、気持ち悪かったし、知識もなかったので、あまり真剣に見ていないが、今なら蚊の中にどれくらい「ハマダラ蚊」がいるか確認するだろうなあ。(笑)