2012年9月6日木曜日

国際協力ステーション2012

いよいよ本校の最大イベントが始まる。20日に体育祭、21日に文化祭で3年生の演劇、22日が我がクラスも制作で参加する文化祭本番となる。今日は、午前中の授業の後、体育祭の「棒引き」と「綱引き」の予選が行われた。8団を5限目と6限目に分けて、それぞれ順位を決め、体育祭当日に同じ順位同士が戦い、8団で総合順位を争うというシステムだ。我がクラスは、 スポーツでは学年のHR合宿でも球技大会でも負けてばかり。あまり意気があがらないのだが、なんと黒団(1・2・3年合同チーム)が「棒引き」で1位になったのだった。久しぶりにいい思いをさせてもらった。当日は、8団中の1位・2位をかけて決戦に臨む。(綱引きはクジ運が悪く、3年武道科を中心とする緑団に負け、5位・6位決定戦に回ることになった。)

文化祭の準備も着々?と進んでいるのだが、この土日や次の三連休も休まず準備を進めることになるかもしれない。昔の私なら、休日返上で生徒に付き合うのだが、54歳ともなると身体がもたない。学年の先生方と輪番しながら適当に休もうと思っている。血中酸素濃度のこともあるし…。今日も授業で、デカルトの神の存在証明と物体の存在証明を熱く語っているうち、滝のような汗をかいた。うーん、ちょっと危ない。(笑)

イベント直前の16日の日曜日はラグビー部の試合を見に行く予定だ。3年生は負けたら引退という公式戦。サッカー部もそういう試合が先日あったのだが、その次の試合を見に行く予定を立てていたら、相手校が意外に強く、PK戦で負けてしまったのだった。地団駄ふんだがもう遅い。だからこそ、ラグビー部は、第3の顧問としては、とにかく見に行くことにしたのだった。

その前日、15日の土曜日は、京大公開講座の日である。なにがあろうと行かねば。今から楽しみにしている。ところで、この日、同じ京都で『国際協力ステーション2012』というイベントが京都駅ビルで行われるらしい。アフリック・アフリカの講演会もあるみたいだが、時間的に厳しいようだ。興味のある方は是非。(今日の画像は昨年の国際協力ステーションの様子)

2012年9月5日水曜日

銀メダリストの必殺技?

女子柔道の銀メダリスト、杉本美香選手が今日、本校に帰ってきた。(6月18日付ブログ参照)壮行会での約束を守ってメダルを生徒たちに見せてくれたわけだ。少し距離があったけれど、私も生で銀メダルを見ることがきた。先ほど、関西テレビ、NHKと、本校での様子をニュースで連続して流していた。

今回、銀メダル獲得を記念して、杉本選手の手形をとり、2つ目(既に世界選手権・優勝の碑がある。)の記念碑をつくることは、教頭が言っておられたので知っていた。校長室で取ると思っていたら、なんと壇上で手形を取ることになったようだ。すると、TVのクルー(カメラや音声さん)がどどっと壇上に上がっていったので、生徒は大いに盛り上がったのだった。こういうライブ感、たしかに面白い。

TVでは、生徒の質問の様子も映っていた。実は、最初の質問が私は一番面白かった。これはTV放映されていない。その質問は「必殺技は何ですか?」というものだった。生徒は大いに沸いたのだ。杉本選手は「必殺技って、それはプロレスでしょ。」と笑った。「柔道では、得意技です。払い腰かな。」と答えたのであった。もし、杉本選手が「ブレンバスターです。」とでも答えだったら、会場は無茶苦茶盛り上がったと思う。(笑)変な質問をした生徒には、TV放映通り、「あとで柔道場集合。」と笑いをとっていた。臆することなく、バンバン質問した生徒と、ウィットに富んだ答えを返してくれた杉本選手に拍手を送りたい。なかなかいい報告会だった。

野球部を中心に、最後に全員で校歌を合唱した。杉本選手への何よりのプレゼントだと思う。

2012年9月4日火曜日

ギニアビサウ vs イラン

今朝モーニングで、日経を読んでいると、イランがトルコから「金」(Gold)をかなり輸入しているというニュースが載っていた。どうやらアメリカ等の経済制裁で金融機関がうまく使えないので「金」で決済しているらしい。凄いな…。というのが正直な実感だった。
さて、WEBでアフリカ関係のニュースを探していると、またまたイランの話が出てきた。ギニアビサウと協力拡大を行うらしい。先日のエジプトとの外交戦といい、イランは座して瞑想にふけるような国ではないようだ。

ギニアビサウという国は、セネガルの南にある旧ポルトガル領の小国である。だいたいが、旧ポルトガル領は内戦で苦しんできた。アンゴラもモザンビークも、そしてギニアビサウもである。
日本外務省のODA関連のHPのデータブックによると、天然資源もなく、農業も湿地とサバナで、極めて不利な開発状況にあることがわかる。HDI(人間開発指数)では164位/169カ国(2010年)であるのも頷ける。イスラム教徒は約50%、キリスト教徒は10%、その他はアニミズム。北のセネガルも南のギニアもイスラム教徒が主体なので、もっとイスラム教徒が多いのかと思っていたら意外でである。イランは、そんなこの国と協力拡大をする、と宣言したわけだ。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/11_databook/pdfs/05-11.pdf
なりふり構わず、アフリカの諸国を味方につけて国際社会での外交戦に役立てたいとイランは考えているようだ。AU(アフリカ共同体)では、気前よく各国に支援していたリビアのカダフィが退場した。その後継を目指すのかもしれない。アフリカ諸国は、その辺よく考えて、うまく立ち回っている、なかなかの外交上手な国も多い。

そう、外交戦では沈黙は「金」ではない。

2012年9月3日月曜日

アフリカ教育関連情報に学ぶ

舩田クラーセンさやか先生のブログ『アフリカ教育関連情報』9月1日付は凄い。タイトルは『国際協力に関心のある皆さんへ:10年以内に日本の援助産業は斜陽産業へ。だから?』

舩田クラーセンさやか先生は、東京外国語大学准教授。現在、モザンビークにおられるようだ。世界的な経済の停滞からくる日本のODA政策の将来について、かなり悲観的な内容が綴られている。現場をよくご存じの先生の言である。なかなか重い。
たしかに、アフリカへのODA支援は斜陽化していく可能性が高いと私も思う。では、国際協力を志す多くの若者に未来はないのか?それは違う。先生は、政府ODAという「援助」ではなく、ビジネスとして、貧困を改革する道を応援したいとのことである。これは私も全く同感。「援助」から「投資」へ。開発経済学の方も変わりつつある。当然だが、「投資」といっても、腐敗と格差の再生産にならないように、本当にアフリカの人々(特に農業に携わる人々)が必要としている「投資」であるべきだ。先生は、ここで、『見抜く力』について語られる。まさに、その通りだと敬服する。50を過ぎたオジサンとしては、先生のおっしゃる『見抜く力』の必要性、強い実感を持って同意する。結局は人間力なのだ。日本で自分を鍛えてからでも十分間に合う。若者よ、焦るな。

関心のある方は是非ご一読願いたい。
http://afriqclass.exblog.jp/

2012年9月2日日曜日

シオラレオネのコレラ渦

シオラレオネで、コレラによる死者が続出しているというニュースが流れている。どうやら6月からの雨季の影響で、衛生状態が悪い故に蔓延したようである。ジンバブエに続いてのコレラ渦。様々なところが、支援に乗り出している。最近は様々な地方公共団体が積極的に義援金を募っているようである。実に良いことだと私は思う。

一方、メタウォーターという会社が、車載式の浄水装置事業をケニア、マラウイ、トーゴで順次出荷するというニュースが日経から発信された。1台で、3700人分の飲料水(生活用水)を濁り水からまかなうことが出来ると言う。発電機とともに車載して、電気のないところでも運用できるらしい。

おそらく軍用では、こういう装置を持っている国が多いと思う。(そもそも、悪魔の飽食で有名になった731部隊は、こういう任務が主だった。)おそらく軍用故コストが高いのだと思われる。それをビジネス化するところに価値がある。メタウォーターには、是非とも頑張って欲しい。アフリカでは、こういう需要が大きいはずだ。

できれば早急にシオラレオネに送って欲しいと思うのは私だけではないと思う。日本赤十字社が何台か買い取って運ぶというのはいかがだろうか。

血中酸素濃度の話

週に1度は、ホームドクターのような存在であるH鍼灸院に行く。ここ2日ほどは夜の気温が下がって風邪気味だった。さて、ベッドに横たわると、H先生がいつも聞く。「どうですかぁ~。」「目が疲れている。」「肩がこっている。」「足がつった。」など様々な症状を言うのだが、今日はちょっと違った。H先生が「うーん。」と脈診をしていた顔が曇った。まず「ちょっと、チクリとしますよ。」と普段打たないところに鍼を打った。だいたいこういう時は、なにかあるのである。

H先生が変な機械を持ってきた。指にはさむらしい。だいたい私は治療中目をつぶっているので、何をどうされているか分からない。「うーん。」とH先生。さすがに気になったので、何の機械か聞いた。「これは、血中酸素濃度をはかるものです。」「何それ?」「最初の脈診で、心臓の鼓動が無茶苦茶早いので、まずそれを下げました。」うむ。確かに左手の変なところに打った鍼のようだ。なぜか左のほっぺたに電気が走った。(笑)「背中にお灸もすえたり、いろいろやったので、少しマシにはなりましたが…。」「まだまだ問題があると…。」「血中酸素濃度が最初93くらいだったと思います。今はなんとか95くらいまで上げましたが…。当分煙草を少なめにしないと危ないです。」「?」ここで若いS先生登場。「普通、98くらいです。93以下になると入院、90くらいだと倒れます。」…「ゲゲゲッ。」

少し調べてみた。あの機械、パルスオキシメータというらしい。ただ指に挟むだけで血中酸素濃度がわかるという優れ物らしい。それにしても、かなりヤバイ状況だと分かった。ちょっと煙草を控えようと思う。そういえば、最近ふっと先生や生徒の名前が出て来なかったりすることがちょくちょくあるのだ。なんか意識が飛んだような感じがする。…ホント気をつけないと。

2012年9月1日土曜日

知識人・中沢新一が動き出した

昨日だったか何気なくTVを見ていたら、中沢新一が出ていた。中沢新一と言えば『チベットのモーツァルト』で売りだした、浅田彰と並ぶ私たちの年代のオピニオンリーダーの一人である。ポスト構造主義的な視点は今や大きな流れになっているが、私なども大きな影響を受けたものだ。TVでは、彼が代表をしている「グリーンアクティブ」について述べていた。ぼんやり見ていたので、あいまいな表現になってしまうが、「3.11以後、日本は変わったのだ。」という彼の言は、まさに私の中でも、ほんやりと「言霊」となったのだった。…なるほど。中沢新一の言おうとしていること、政治的危機感には共鳴できるものがある。知識人として、学術や文芸や言論の場だけではなく政治的にも行動することを彼は選択したのだった。

ところで、今、吉本隆明を読んでいる。もちろん文庫本だ。『世界認識の方法/中公文庫・本年8月25日改版発行)』初版は、古い。1984年2月10日。題名と、吉本隆明とフーコーの対談(1978年のことらしい。)が載っていたので思わず買ってしまったのだった。当然だが、かなり難解な本である。高校生に授業で説明するつもりで平易に最初の何ページ分かを解説してみたい。

吉本隆明は「戦後思想界の巨人」と呼ばれた左派の論客で思想家・評論家である。一方、フーコーはフランスのポスト構造主義の哲学者。吉本がフーコーに質問する。「マルクス主義を始末できるのか、できないのかということを考えている。フーコーさんは著作を読むと始末したように見える。意見交換をしたい。」それに対して、フーコーはおよそ、次のような回答をするのだ。

「20世紀の社会的=政治的な場における想像力が貧困になったのは、私はマルクス主義が重要なな役割を演じているからではないかと考えている。私がいかにしてマルクス主義と縁を切るかということを書いたのはそういう理由である。吉本さんが、マルクスとマルクス主義を分けて考えていることは正しい。マルクスは歴史的事件でありこれを抹殺することはできない。だが、マルクス主義は、権力のメカニズム・権力の力学の総体である。(フーコーは「権力」の分析で世界の構造を明らかにしようとした。)スコラ哲学や儒教のようにいかなる機能を演じたのかを分析する必要がある。私は、①理性的・合理的な考え方の中で、科学として扱われてきたこと。(マルクスの社会主義思想は科学的社会主義と称する。)科学である限り真理をめぐって拘束作用をもつ。②(唯物史観によって)予言性(資本主義社会はプロレタリアートによる階級闘争の勝利によって社会主義化する必然性がある。)をもっている。③フランス革命以前の国家はきまって宗教に基盤をおいていた。フランス革命以後は、いわば哲学(社会思想)を基盤に置くことになった。マルクス主義は、それが顕著である。これらの三側面から見て、マルクス主義の権力関係の力学から自由になることが、問題である。」
「マルクス主義は19世紀的で、そこにおいてしか機能していない。マルクスは決定的な真理の所有者ではない。さらに、マルクス主義政党下では様々な重要な問題が排除されてきた。…」
この後さらにニーチェの「意志」の話や階級闘争の「闘争」の意味が西洋哲学では解明されていないことが述べられていく。このエントリーではとてもそこまでは書けない。(笑)

さて、中沢新一である。フーコーは、マルクス主義の権力構造を覆すものとして、様々な社会的な運動に意義を認めている。知識人、学生、囚人、最も下層にある人々…。今の日本は当然マルクス主義の政治構造ではないが、「想像力が貧困」な政治状況であることは間違いない。権力をめぐる醜悪なねじれの構造が、さらに「想像力を貧困」にしている。私は別に知識人・中沢を応援する立場にはないが、少なくとも「哲学」がそこにある。あらゆる深刻な問題を前に、人気を得るためにはどう判断すべきかを選択し、小出しにしながら8つにまとめるような「無哲学」の輩よりは、はるかにマシだと思うのだが…。