2024年12月15日日曜日

ホームステッド法と共和党

https://sekainorekisi.com/glossary/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%
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「世界史と地理は同時に学べ」(山崎圭一著/SBクリエティブ)の備忘録・その3。地理の村落と都市の項で、条里制や円村などと一緒に、アメリカのホームステッド法・タウンシップ制度を教える。

アメリカでは、買収や併合で得た広大な土地を農民たちに払い下げていく。この区画がタウンシップである。まず1辺6マイル(9.7km)の正方形に区画し、1マイル四方の36の小区画を作り、16区画目には学校を置き、この小区画を4つの家で開墾することになる。(1つの家で800m四方=160エーカー=64万㎡)これで、1辺6マイルの土地に140軒の農家と1つの学校が生まれる、というシステムである。

最初は農民に販売していたのだが、それなりに高額だったのでなかなか進まなかった。ここにリンカーンが登場する。彼は、未開の公有地に5年暮らしたら上記の160エーカーの土地を無償で得ることができるというホームステッド法を1862年に発効させているのだが、この無償化には南部の大土地所有者は、中規模自作農民が増加することに反対で、それまで議会では否決され続けていた。南北戦争が起こったのは1861年だから、南部諸州が議会から離脱したがゆえにやっと成立できたのである。

リンカーンは奴隷解放令で有名なので、民主党のようなイメージがあるが、共和党である。アメリカ中部の農村に共和党支持者が多い(レッド・ステート)理由はここから始まっている。

…それにしても、1つのタウンシップに学校が必ず置かれる、というシステムにアメリカの先見の明というか、持続可能性を私などは感じるのだが…。

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