2025年7月26日土曜日

書評 恋するソマリア

本日、大阪府予選準決勝で、東海大仰星高校が、まさに三田学園同様の惜敗をしてしまい、私の”夏の甲子園”は終わった。関わった各校の選手や関係者の皆さんの努力に想いをはせると悲しすぎるのだが、これも真剣勝負の高校野球の醍醐味である。皆さん、本当にご苦労さまでした。改めて秋季大会で大暴れして、是非私をセンバツに連れて行って欲しいと思う。

さて、気分を変えて新しい本の書評を書き始めたい。「恋するソマリア」(高野秀行/集英社)である。ちょうど1周間前、期日前投票に行った時、支所の横にある市立図書館で借りてきたものである。ソマリアは先日のHDIの最新版で、後ろから数えて世界第2位(ちなみに第1位は南スーダン)という国である。2学期の教材研究のためでもあるし、作者が高野秀行であるというのも絶対的に面白いという安心感があって借りてきた。

以前、高野氏の「謎の独立国家ソマリランド」はすでに読んで、非常に感銘を受けた。(2013年の4月から5月にかけて、このブログ上で書評を5回に分けて書いている。)その続編的な内容になるが、いよいよ旧イタリア領の南部ソマリアに向かう話である。

高野氏はソマリ語をさらに身に着けようと、母校・早稲田大学に在学しているソマリ人兄妹を探検部の後輩を使って探し出す。すぐに見つける探検部現役も凄い。(笑)彼らは、南部ソマリアの暫定政権のスポーツ大臣の子供であるのだが、2009年の自爆テロで犠牲者の一人となった。「あしなが育英会」の招聘で日本に来たのだった。兄は、モガデシオ出身ながら、珍しく温和な人だった。かなりの「箱入り息子」である。妹は主張の激しい典型的ソマリ人で、ソマリランドに行くと告げると、「モガデシオにも行くんでしょう。」と、実家に行き、「半年も同じで飽きたアクセサリー(腕輪や指輪)を母に取り替えてもらって。」とお遣いを頼み、おみやげ(芳香剤や紙おむつ、日本のお菓子等)を託した。兄は「歯磨き用の木の枝を買いいてきてくれ。」とだけ言った。

…ソマリ人はケニアもいて、ピーター・オルワ氏に「彼女はソマリ人やね。キレイやね。」と教えてもらったことがある。たしかに美人がすこぶる多い。(笑)前述の兄の所望した”歯磨き用の木の枝”を、ブルキナファソ・サヘルの村で、オマーンや運転手が使っているのを見たことがある。ただし、彼らは、木から直接取って歯磨きしていたのだが…。

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