2025年7月22日火曜日

厚顔政治家は許せない

https://note.com/tabatytabaty/n/nf13007f773db
「荒野に果実が実るまで」(田畠勇樹著・集英社新書)の書評第6回。主人公の青年のメンタルはかなり冷静で強い。様々なトラブルに対しても23歳とは思えない対処をしている。彼のメンタルを保証しているのは、カラモジャの人々への熱い思いであるのだが、時には正義感とぶつかり「彼だけは許せない。」と記している箇所がある。

歪んだ援助構造を体現するようなプロジェクト・モニタリングを開催せざるを得なくなった時のことである。農場までの燃料代、軽食代と日当を負担し、日本円で数万円を必要とする。全くの無駄金である。5分で帰った県知事も、たいがいだが、群議会議員のMという男は、「このプロジェクトをもたらしたのは自分の手柄だ。」と言いながら、一方で住民には「働かされて一銭も受け取っていない。もっと食料を配らなければならない。」と言い、拍手喝采を浴びた。そもそも「食糧援助が地域の発展を阻害してきた。カラモジャに必要なのは食料ではない、食料を作る技術だ。」と言ってきた男の厚顔な変節であった、

彼が去った後、混乱した住民の中から「同志よ、政治家に混乱させられてはいけない。」と立ち上がったリーダー・ロモイの言葉が主人公の青年を救うのだが、ウガンダも日本も変わらない。

自分の言に責任を取らない保身と利権あさりの政治家ばかりであるところは、日本もウガンダも変わらない。教え子の中に少数だが政治家を目指している者もいる。彼らには、こんな輩にだけはなってもらいたくはないと思うのだった。

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