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2025年6月25日水曜日

続・アメリカの宗教事情のPP

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20180821/se1/00m/020/085000c
いよいよ期末考査までの最終授業が始まった。2学期の中間試験の範囲は、世界の価値観の学びの上に、経済的な話を行おうと考えている。6月4日付ブログで、「アメリカの宗教事情のPP」の話題をエントリーしたが、その最終局面は、一神教を利子から比較対象した内容だった。

これによると、カルヴァン派が最も利子に対して最も早く公式に積極的肯定をしている。すなわち、後にフランスを追われるユグノーを吸収したオランダ、さらにはスコットランドなどのカルヴァン派が資本主義をリードしていく歴史に重なる。オランダは、カトリックのスペイン・ポルトガルの覇権をひっくり返し、スコットランドは、産業革命やアダム・スミスなどの自由主義経済学誕生の地となった。

これに英国国教会のヘンリー8世自ら金利を肯定したイングランドが合体することになる。大英帝国の覇権はこういう宗教的背景があるわけだ。ところで、アメリカ植民地の南部では、最初は英国国教会のアングロ=カトリックが主であったが、北部にピューリタンのカルヴァン派が流れ込み、後の工業化の源となる。

帝国主義で植民地を拡大したフランスが、覇権を握ったと言い難いのは、ユグノー不在で財政が悪化しフランス革命を導いたものの、カルヴァン派なしで、イギリスに遅れをとってしまった故かもしれない。ドイツ北部は、ルター派が多く、遅れはしたもののプロテスタント的な姿勢が功を奏したのかもしれない。

正教会は、金利禁止を伝統的に守ったがゆえに、資本主義の発達が遅れたと見ることは可能であるし、イスラム圏の近世・近代での経済的衰退も、その無利子体制では多くの資本形成がなされなかった故と見ることができる。

この金利という視点から資本主義の形成・発達を見た時、宗教的な特徴が顔を出し、それなりに納得できる歴史の見方でできる。こんな話を最初にしてから、これら一神教世界と全く関係なく、大発展した日本の価値観について中間考査範囲の前半は考えていこうかと思う。

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